研究クルーも困惑した奇妙な形状のクラゲ、実はこれまで1度しか目撃されていない新種のクラゲだった

現在進行中の深海探査ミッションでこのほど、奇妙な形状のクラゲが目撃され、のちにこれまで1度しか目撃されていない非常に珍しいクラゲであることが明らかになりました。

現在、探査船ノーチラス号の研究クルーはキングマン・リーフおよびパルミラ環礁付近の深海探査ミッションを行っていますが、このほど遠隔操作無人探査機(ROV)を使った深海探査のライブ配信中に、ある奇妙なクラゲの姿が捉えられました。

キングマン・リーフの北北西に位置する、水深1,469mの未踏の海域で発見されたこの生き物は、傘を脈動させて泳いでいることからかろうじてクラゲの仲間ではないかと想像がつきますが、上部から生えた3本の触手はまったくの謎であり、これには研究チームも困惑しました。

クルーの1人は、触手を失ったクロカムリクラゲ(ヘルメットクラゲ)ではないかと推測しましたが、のちに海洋研究開発機構(JAMSTEC)に所属する海洋生物研究者であり、北里大学や横浜市立大学などで客員教授を務めるドゥーグル・J・リンズィー博士により、このクラゲが未記載種のクラゲであることが明らかになりました。

博士によると、このクラゲはツヅミクラゲ科ヒジガタツヅミクラゲ属(Bathykorus)の一種で、かつて2015年に探査船オケアノス・エクスプローラー号の調査によって1度だけ目撃されており、今回で2回目の目撃例なのだそう。

また、博士によるとこのクラゲはおそらく他のクラゲやナマコを食べると考えられているそうです。

今回の遠征ミッションは今月14日までを予定されており、まだまだ新しい発見が期待できるかもしれません。最近の研究成果についてはノーチラス号探査の公式Youtubeアカウントから確認することができます。

Reference
Exploring Deep Sea Habitats Near Kingman Reef & Palmyra Atoll -NAUTILUS LIVE-
Mysterious Jellyfish Found in Remote Pacific Depths -NAUTILUS LIVE-

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