半分だけ眠って半分だけ起きる半球睡眠、ウインクしながら眠るフクロウがかわいい

あらゆる動物において脳を休ませるための睡眠は必要不可欠なものであり、睡眠中はどうしても無防備になってしまいます。

そのため、ほとんどの動物は身を隠したり、仲間と集まって眠ったり、高い場所へ移動したりしますが、なかには驚きの方法によってこの弱点を克服した動物たちがいます!

一部の動物はなんと、左右あるうちの片方の脳は覚醒させたまま、もう片方の脳を交代で休ませることができます。これを半球睡眠(はんきゅうすいみん)といいます。

半球睡眠を行う代表的な動物にはカモメやアマツバメ、イルカやクジラなどが知られており、カモメやアマツバメなどの渡り鳥は半球睡眠を行うことによって、群れの仲間とぶつからないように飛び続けながら眠ることができ、イルカやクジラなどの海生哺乳類は、半球睡眠を行うことで眠っている最中に溺れるのを防ぐことができます。

エピネシス・コラムズ
半球睡眠は1970年代にイルカの脳波を測定したことで初めて確認されました。

半球睡眠中は片目だけ目をつむる

半球睡眠が行われているときに脳波を測定すると、しっかり片方が睡眠中の脳波、もう片方が覚醒中の脳波となっていますが、実は脳波を測らなくとも、半球睡眠を行っているかどうかはすぐにわかります。
半球睡眠中は片側の目をつむっているからです!


半球睡眠中のスズメの一種。Hussain Kaouri CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

このように、半球睡眠中は「眠っている脳とは逆側の目が閉じ、起きている脳とは逆側の目が開いた状態になっています。
半球睡眠を行うことによって、片方の脳を休ませたまま、もう片方の開いた目と脳を使って周囲の状況を察知し、危険が迫ったらすぐに逃げることができるというわけですね。

▽半球睡眠を行っているフクロウ。動画のサムネイルは異なりますのでご注意ください。

半球睡眠中とはいえ、かなりぐっすり眠っていたようで近づいても起きませんでしたが、声をかけられてようやく起きました。
寝ぼけながら2、3度見する様子はとても可愛らしいですね!

渡りをしない鳥の半球睡眠については詳しくはまだ分かっておらず、必ずしもフクロウのすべての種類が、常に半球睡眠で眠っているわけではないことに注意しておきましょう。

危険な場所では半球睡眠の頻度が増えるそうで、安全な場所で管理されているフクロウではなかなか見られない現象かもしれません。

エピネシスでは最近、家族で尻尾を絡ませあって眠るサルについてご紹介していました。
尻尾を絡ませて眠るサル、ティティモンキーの夫婦が理想的すぎる

また、人間の前であまりにも無防備に眠ってしまうアライグマの記事もぜひご覧ください!
海で泳いでいるアライグマを発見、救助後はカヤックで爆睡

reference
・Why Do Birds Sleep With One Eye Open? -Bird Spot-
・HOW DO OWLS SLEEP? -BIRD FEEDER HUB-
・How Do Owls Sleep? -Bird Watching Buzz-
・Owl Sleeping – Everything You Should Know -Birdtrace-

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