イギリス・エクスター大学の研究者らは、猫と遊ぶ時間を増やしたり、プレミアムフードを与えることで虫やネズミなどを持ち帰る行動が減るという研究成果を発表しました。
猫は捕食する目的以外にも遊びや狩りの欲求を満たすために積極的に野生生物を捕らえるため、一部の国や地域では飼い猫が生態系へ与える影響が大きな問題となっています。
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猫の飼い主はだいたい5つのタイプに分類できる、エクセター大学の研究
イギリス・エクスター大学の環境社会学・人類学者のサラ・クローリー(Sarah Crowley)氏は、これまで飼い猫が生態系に与える影響や、犠牲になる野生生物を減らすための研究を行ってきました。
今回、研究チームは飼い猫の”獲物捕り”を減らすより簡単な方法を模索するために、イングランド南西部の219世帯で飼われている猫355匹を対象に12週間かけて調査を実施しました。
その結果、飼い主が1日に5~10分間、羽のおもちゃを追いかけさせるなどして遊ぶと猫が持ち帰る野生生物の数は25%減少し、肉由来のたんぱく質を多く含む市販のプレミアムフードを与えると36%も減少することが明らかになりました。
どうやら、おもちゃを使って遊んであげることで狩りの欲求が満たされ、結果として野生生物を持ち帰る行動が減少するようです。
しかし一方で、プレミアムフードにより獲物捕りが減る理由についてはよく分かっていません。
研究者らは、キャットフードでは必要な栄養素を摂取することはできるものの、一部の猫は肉に含まれる微量な栄養素が欠乏しており、その栄養分を補おうとして獲物捕りが促進される可能性があると指摘しています。
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研究者らは今後、どのような成分に獲物捕りを減らす効果があるのかを明らかにしていく方針です。
Reference:How to stop your cat from killing so much wildlife -CNN-