ホッキョクグマが濡れた体を乾かすための行動、雪の上をスイスイと滑って楽しそう

北極圏での生活に適応したホッキョクグマの体は驚くべきものです。一見するとただの白い毛を持っているように思われますが、実はホッキョクグマの毛は透明で、内部がストローのように空洞になっているため、散乱して白く見えているのです。


Fibre-Optical Light Scattering Technology in Polar Bear Hair: A Re-Evaluation and New Results -ResearchGate-

また、この透明な体毛は太陽光をよく通すうえに空気の層を作り出し、体毛1本1本の空洞に保温効果があるため熱を逃がしにくい構造になっているのです。雪に紛れ、太陽光で温まり、熱を逃がさない…ホッキョクグマの白い体は、過酷な環境で生き抜くための特殊なつくりになっています。

とはいえ泳いだりして体を濡らしてしまうと、毛が寝てしまいい、空気の層が作れないために保温効果が失われてしまいます。そのため、ホッキョクグマは濡れた体が大嫌い。

海からあがると、まずは犬と同じ要領で体を震えさせて全身の水気を飛ばします。これで大部分の水は飛んでいきますが、毛はまだまだ濡れたままです。そこで、さらにホッキョクグマは体の水分を取るためにとっても可愛らしい行動をとります。それがこちら!

雪の斜面を滑ったり、寝転んだり、お尻をあげてスイスイ進んだりして、体の表面に残った余分な水分を雪に吸わせて落としているのです!

親子いっしょに雪の上を滑っている様子は可愛らしいうえにとても楽しそうです。というより、実際に楽しんでいるのではないでしょうか…?

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Reference
Behavior>Staying Clean -Polar Bears International-
How Polar Bears Dry Off -NATURE PBS-

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