サメのヒレだけを切り取って捨てる密漁、フロリダ州で1億円相当のヒレを押収

Fresh shark fins drying on sidewalk
Fresh shark fins drying on sidewalk flickr photo by nicwn shared under a Creative Commons (BY-SA) license

野生動物の保護・管理を行うアメリカ合衆国魚類野生生物局(United States Fish and Wildlife Service、略称:FWS)は2月3日、フロリダ州マイアミの港で隠されていた18箱からサメのヒレ、およそ635kgを発見した。このサメのヒレは市場価格にして約7,600万円~1億1,000万円相当になるとみられる。

サメの背びれや尾びれを乾燥させて作るフカヒレは、中国では伝統的かつ高級な食材であり、需要は非常に高い。近年ではヒレだけを狙ったサメの乱獲が相次いでおり、推定では年間1億匹のサメがフカヒレのための犠牲になっているという。

ヒレだけを切り取って海に捨てる「シャーク・フィニング」

密漁者たちはしばしば、サメを捕らえるとヒレの部分だけを切り取り、生きたまま海に投棄する。サメはヒレ以外の部位にあまり価値はないため、密漁者にとってはヒレだけを船に積んだ方が効率が良いのだ。シャーク・フィニングと呼ばれるこうした悪質な乱獲行為は、生態系への影響だけでなく倫理的な面からも強く非難されている。

近年では、フィニング行為やヒレの売買を禁止したり、フカヒレ料理の提供を中止するホテルやレンストランも増え、世界的にサメの保護活動が推進されているが、未だに大きな需要のあるヒレを狙ってサメの乱獲が行われているのだ。

今回発見された18箱ものヒレは、フカヒレの需要が高いアジアに向けて輸送されるものとされており、見つかったのがヒレのみであったことから、ヒレだけを切り取ってサメを投棄する悪質なフィニング行為が行われていたとみられる。

アメリカ合衆国魚類野生生物局は、これが野生生物を保護するレイシー法に違反しており、さらに生物の国際取引を規制するワシントン条約の対象となっている数種のサメのヒレが発見されたことについても明らかにしている。

トランプ氏の再選でサメの保護活動が活発に?

Donald Trump
Donald Trump flickr photo by Gage Skidmore shared under a Creative Commons (BY-SA) license

2020年、まもなくアメリカの大統領選が始まる。4年の任期を終え、再選を狙うドナルド・トランプ氏は、意外にもサメの保護に大きく貢献した人物の一人だ。彼の大統領就任後、いくつものサメの保護団体に寄付金の支援が急増したという。

というのも、実はトランプ氏は大のサメ嫌いで、Twitterにおいてもサメ嫌いをたびたび公言しているのだ。

トランプ氏は、関係のあったストーミー・ダニエルズ氏に「様々な慈善団体に寄付をしているが、サメを保護している慈善団体には絶対に寄付しない」話したことがあるという。

サメは人を襲う恐ろしい動物であるというイメージが定着しており、サメの保護活動は他の動物の保護活動と比べても支援が集まりにくい傾向にある。しかし、トランプ氏が大統領に就任して以降、彼を嫌う多くの人々が”あてつけ”のために、彼の嫌いなサメを保護する団体へ多くの支援が集まったのだ。

今回の大統領選で、もしトランプ氏が再選すれば、再び多くの寄付金がサメの保護団体に集まることになるだろう。次の大統領選は、サメたちにとっても重要なものになる。

参考記事
サメのヒレだけを切り取って海へと捨てる「シャークフィニング」とは?