鳥羽水族館は今月1日、Youtubeにラッコの掃除が”いかに超過酷なものか”を紹介する動画を投稿しました。
生き物たちの健康に関わる大切なことなので、もちろん水槽の掃除は大変ですが、生きものと同じ水槽で泳ぐというのはある意味で飼育員の特権であり、羨ましいと思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
ましてや日本、ひいては世界を代表するラッコ界のアイドル、キラちゃんとメイちゃんと一緒に泳ぐことができるのは、間違いなくとても羨ましいことでしょう。
ではなぜ「超過酷」なのか、さっそくご覧ください。
理由を知った後では、BGMの『粉雪』がとても切なく、悲しく聴こえてしまう…(笑)
ラッコ水槽の水温、人が活動するにはあまりに冷たすぎでは…?
もしかしたら動画を見る前に答えがわかった方もいらっしゃるかもしれません。北海道では野生のラッコがみられるように、ラッコはもともと冷たい海に生息する生き物で、その飼育水槽の水温はなんと8~10℃!
しかしながら、この水温はあまりに冷たすぎるのでは…?
例えば夏のプールでも冷たい、寒いと思うことはないでしょうか。
プールの水温は文部科学省の推奨では22℃以上とされており、基本的にはこの水温以上になるように管理されています。
夏のプールでも気温によっては冷たくて入っていられないと感じることがあるのに、室温10℃、水温8~10℃はあまりに冷たすぎます。
気象庁のデータを参考にすると、この水温は1月に函館の海を泳ぐのと同じくらいの過酷さです。
関東地方にお住まいの方は試しに水道の水を出してみましょう。東京都水道局の水温データによると2月の平均水温は9.5℃なので、より実感できるかもしれません。
とても入ってはいられない水温です。しかし、調査を続けると2020年3月20日の鳥羽水族館の飼育日記にこんな一文が。
ラッコの水槽の水温は8~10℃くらい。いつもはこの冷たすぎる水の中に飼育員が潜って、掃除をしています。めちゃくちゃ冷たい(゜-゜)
【飼育研究部 みなみ】
一瞬でも疑って、本当に申し訳ありませんでした…。
潜水掃除終わりの飼育係のお姉さんとラッコのメイちゃんが水中で楽しそうにしていました😊
お姉さん笑顔ですが、ラッコプールの水温は約10℃です(さむっ🥶)#鳥羽水族館 #ラッコ pic.twitter.com/5Yo4nUquXr— 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM) (@TOBA_AQUARIUM) March 25, 2022
飼育員のみなさま、どうかお身体には気を付けて。本当にいつもありがとうございます…!
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