約40年間も目撃例が途絶えていたハチ「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」が発見される

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インドネシアの北モルッカ諸島(マルク諸島)で、「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」と呼ばれる大型のハチが再発見された。このハチは19世紀にイギリスの博物学者であるアルフレッド・ラッセル・ウォレスによって発見されたもので、1981年以来約40年もの間、目撃例が途絶えていた。

発見されたのはハキリバチ属の一種である、学名:Megachile pluto。通称”Wallace’s Giant Bee”(ウォレスズ・ジャイアント・ビー:ウォレスの巨大蜂)と呼ばれているほか、”Flying bulldog”(空飛ぶブルドッグ)とも呼ばれている。

メスの体長は約3.8cm程度、翼幅は約6.3cm程にもなり、大きさは一般的なミツバチの約4倍ほどもある。世界最大と称されることもあるが、日本に生息するオオスズメバチと同程度である。大人の親指ほどもある黒く大きな体と、発達したアゴはまるでクワガタムシのようだ。こんなハチが大きな羽音を立てて飛んで来たら、誰もが驚くに違いないだろう。

しかしながら、ウォレスズ・ジャイアント・ビーはオスとメスで体格差が大きい性的二形であり、オスの体長は約2.3cm程度にしか成長しない。

ウォレスズ・ジャイアント・ビーはこれまで発見されていなかったため、詳しい生態は明らかになっていないがシロアリの塚に巣を作り、低地林の樹脂を大きなアゴを使って固めて外敵から身を守っているという。

ウォレスズ・ジャイアント・ビーが再発見されたインドネシアのモルッカ諸島にほど近いスラウェシ島には、本種と同じように大きなアゴを持つメガララ・ガルーダ(Megalara  garuda)が生息していると考えられている。(参考記事:死んだ個体しか発見されていない,正体不明のハチ「メガララ・ガルーダ」)

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By L. Kimsey and M. Ohl (2012). “Megalara garuda, a new genus and species of larrine wasps from Indonesia (Larrinae, Crabronidae, Hymenoptera)”. ZooKeys 177: 49. DOI:10.3897/zookeys.177.2475. [CC BY 3.0], via Wikimedia Commons

メガララ・ガルーダの雄の個体。

今後はウォレスズ・ジャイアント・ビーの詳しい生態が明らかになるだけでなく、メガララ・ガルーダのような未知の生態を持つ種の解明や、新種の発見なども期待できるだろう。