悪魔として恐れられたマダガスカル島の「アイアイ」とは?

”アイアイ、アイアイ、おさるさんだよ――”
これは有名な童謡『アイアイ』の歌詞の冒頭部だ。子供の頃に歌った記憶がある方も多いのではないだろうか。明るくキャッチーで、南国を感じさせるメロディーが印象的であるが肝心のアイアイはどのような姿をしているのかご存じだろうか。


Aye-aye (Daubentonia madagascariensis), Tsimbazaza Zoo, Madagascar flickr photo by Frank.Vassen shared under a Creative Commons (BY) license

不気味で大きな目、白毛交じりの黒い体毛と覗かせる薄ピンク色の皮膚、異様に細く長い指――
童謡や名前からは想像できないその姿は、一部の人にとって恐怖すら覚えるだろう。事実、彼らは先住民から”悪魔”として忌み嫌われてきた。言い伝えによれば森でアイアイと出会うことは不吉の前触れであり、指を差されることは「死の宣告」,すなわち死の前兆を意味するという。


Aye-aye, Madagascar flickr photo by Rod Waddington shared under a Creative Commons (BY-SA) license

童謡『アイアイ』には”南の島の”とあるが、これはマダガスカル島のことだ。アイアイは虫などの他にココヤシやマンゴーなどの作物を食べてしまうため、その姿と共に島民からは害獣としても忌み嫌われてきた。島民による駆除や環境破壊による生息地の減少により個体数は減少し、現在では絶滅危惧種に指定されている。


Aye-aye flickr photo by Oregon State University shared under a Creative Commons (BY-SA) license

アイアイは主に樹上で生活し、地上には滅多に降りてこない。ユビザルとも呼ばれ、細長い中指を使って木の中に潜む幼虫を引きずり出して食べる。名前の由来には諸説あって、発見者の怯えた声または驚いた声を由来とする説や、名前を訪ねた際に島のガイドが発した「知らない」という言葉がそのまま名前になってしまったとする説もある。

アイアイと同じように悪魔として忌み嫌われた動物にタスマニアデビルがいる。(参考記事:タスマニアデビルを脅かす奇妙な病気とは?) 彼らもまた、その姿や習性,害獣としての側面から駆除が行われ、さらに原因不明の致死的な病気の流行も相まって絶滅が危惧されている。アイアイとタスマニアデビル、彼らにとっての”悪魔”は間違いなく人間の方だろう。