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人間は赤,青,緑の3種類の錐体細胞を持つ。一部ではさらに黄色の錐体細胞を持つ人々の存在が知られているが,なんとシャコは12種類もの錐体細胞を持つのだ。
人間と比較してシャコの錐体細胞の種類は4倍だが,単純に人間の4倍の色が識別できるというわけではない。色覚の仕組みは複雑で,各種類の錐体細胞の活動量を比較することで色を知覚しているが,錐体細胞の種類が1つでも増えると錐体細胞の組み合わせが増えるため,識別できる色の種類は格段に増えるのだ。シャコの識別できる色の種類は一説によると人間の10倍にもなるという。その可視領域は人間の可視光領域を遥かに上回り,赤外線や紫外線領域の光まで見ることができるのだ。
シャコの驚くべき視覚能力は色覚だけではない。なんと直線偏光まで識別できるのだ。鳥や虫の中には偏光の振動方向を識別しその偏光パターンを利用して飛行するものがいる。シャコにもこの偏向を識別する能力が備わっているがさらには円偏光の回転方向までも識別できることが近年明らかとなった。
円偏光を利用する生物は,コガネムシの一種が円偏光を選択反射することなどが報告されているが,円偏光を識別できる生物はこれまでにシャコ以外には発見されていない。
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シャコがなぜ12種類もの錐体細胞を持つのか,直線偏光や円偏光の振動方向や回転方向を識別できるのかについては未だ明らかにされていない。驚くべきことに,2013年に行われたクイーンズランド大学の研究によれば12種類の錐体細胞を持っているにも関わらず,実際の色覚能力は人間よりも低かったという。
他の生物には見られない円偏光までも識別できることについては一部のシャコで発見された円偏光の選択反射部位が手掛かりとなっているかもしれない。これらの謎の解明は,バイオミメティクスへの応用が期待されている。
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