ダンボールに金属類を保管すると腐食の原因になる?

2016年7月15日

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ダンボールは当初,シルクハットの吸湿材として開発されたといわれている。荷物の整理,運搬と幅広い用途実用性を兼ね備えたダンボール。

引っ越しを終えた後,ついつい電化製品衣類などを入れたまま段ボールの中で保管していないだろうか?実は,そのまま放置しておくと故障腐食を起こしてしまう危険性がある。

では、なぜこのような事が起きてしまうのか?段ボールの一部をガラス容器に入れ,ガスクロマトグラフィーという発生した気体の成分を計測する特殊な機械で分析すると、段ボールからは硫化水素二硫化炭素,硫化カルボニルなどの還元性の硫黄系ガスが発生している事が確認されるのだ。これらが金属表面の電子を奪いイオン化することで腐食作用が起きる。

このような、物質から発生した腐食作用のあるガスはアウトガスと呼ばれており、さびを生じさせる原因にもなる。
しかし,段ボールからは硫黄(硫化水素)の特有の臭いである腐卵臭は感じられない。発生しているのは確かだが、本当に影響はあるのだろうか。人が臭気を感じる限界の濃度は約0.03ppm以上と言われているが、金属の腐食はそれよりも1桁少ない0.003ppmという極めて低濃度であっても起こりうるという。
電化製品の部品や電子回路には,などの金属が使用されており、段ボールから発生する微量のアウトガスによって腐食され、これが故障変質の原因になってしまうのだ。

他にもサビを防ぐコーティングがされていない一部の衣類の金属製ボタンチャックなども光沢が消えてしまったり、腐食して黒くなってしまうなどの被害を受けてしまうことがある。
これを防ぐには段ボールでの長期保管は避け,ダンボールと機械類は同じ収納場所に一緒に置くことは控えて早めに処分をしておくことが大切だ。

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