近畿大学の研究者らはこのほど、大豆イソフラボンを使ってチョウザメをメス化させることに日本で初めて成功しました。
チョウザメはサメという名前がついていますが、軟骨魚類ではなく硬骨魚類でサメの仲間ではありません。そのチョウザメの卵を塩漬けにしたものがキャビアで、世界各地で養殖も行われていますが、チョウザメはメスとオスが1:1の割合で生まれるため生産効率の悪さが問題となっていました。
そこで近畿大学の研究者らは、大豆などに多く含まれる大豆イソフラボンに注目。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た作用があり、遺伝的にはオスであってもメスに性転換させることができます。
研究者らはチョウザメの一種であるコチョウザメの稚魚のエサに大豆イソフラボンの一種であるゲニステインを混ぜて180日間与え続けた結果、ある一定量与えたグループの個体をすべてメス化させることに成功しました。
▽今回研究対象となった新宮実験場で飼育されているコチョウザメ。
近畿大学のプレスリリースより
同研究チームは去年にも、大豆イソフラボンを溶解した水で育ててナマズをメス化させることに成功しています。
大豆イソフラボンを使ってナマズをメス化させることに成功――近畿大学