今月4日、Twitterユーザーのやさいさん(@yasaisanS)が、INOVの「素数しか必要としない人のための時計」に数字の57が”採用”されていると指摘し、大きな話題になっています。
57採用してる点ものすごく評価高い pic.twitter.com/Wct4vftnYp
— やさいさん (@yasaisanS) June 3, 2021
数字の57は3×19の合成数であり素数ではありません。
問題の時計を見てみると確かに数字の57が入っていますが、この57だけが赤い文字で区別されており、意図して”採用”されていることがわかります。これは一体どういうことなのでしょうか?
「57」はグロタンディーク素数として有名
この数字の「57」は、実はグロタンディーク素数として知られる有名な数であり、これはドイツ出身の数学者であるアレクサンドル・グロタンディーク氏が素数に関する講演をした際に、例として素数ではない「57」をうっかり引き合いに出してしまったというエピソードに由来しています。
この逸話の真偽は実のところ定かではありませんが、グロタンディークさんは1966年になんと数学界のノーベル賞ともいわれているフィールズ賞を受賞したこともある高名な数学者であり、グロタンディーク素数の存在は数学好きな人、特に素数が好きな方なら知らない人はいないでしょう。
その「57」をあえて素数表示の時計に”採用”するセンスはさすがといったところでしょうか。
ちなみに同ブランドからは数式や二進法で表記された時計も販売されているようです。数学が大好きという方は、ぜひ同居人の反対を押し切って買い換えてみてはいかがでしょうか?