「自分が何を目撃したのかわからない」
「まるで熱にうなされている時にみる悪夢のようだ」
「この動画を見終わるまで何度もおぉ..という声をあげた」
「これまで見たもののなかで最も不穏で、恐ろしくて、不気味で、忘れられない奇妙な動画」
生物のなかには、ときに私たちの想像を絶するような奇妙で信じがたい生態を持つものがいますが、真偽が定かでないまま拡散されることも少なくありません。
なかでも近年、特に注目を集めたのがこちらの動画。
2023年2月 追記:元動画はすでに削除されています。以下の動画は本稿で扱うYoutubeチャンネルとは全く関係ありませんのでご了承ください。
地中からコイのような魚が現れ、ウナギを口から口へと移動させるこの動画は「Discovery Site」というYoutubeチャンネルによって去年12月に投稿され、今年春ごろに大きな反響があり1,000万回再生を達成しました。
しかし、お気づきの方も多いかと思いますが、実際にこのような生態を持つ魚は存在しません。ファクトチェックメディアの「Snopes」は、この動画が死んだ魚によって作られたものと判断しました。
悪質で悪趣味なフェイク動画
確かに、魚が口をパクパクと動かす様子は非常にリアルですが、左側の魚は文字通り「死んだ魚の目」をしており、死後からだいぶ時間が経っているようです。
また、撮影している土手も横幅が非常に狭く、動画からは見えない横側から魚を動かしたり、ウナギを送り込んでいるものと考えられます。
さらに動画の説明欄にはこの魚の生態に関する最もらしい説明がなされていますが、Youtubeチャンネル「Discoery Site」で投稿されている動画のほとんどは粗雑で悪趣味なものばかりであり、自然科学系のチャンネルでないことはすぐに分かります。
各動画の説明欄の最後には動物愛護を訴えるような記述もありますが、これらの動画に登場する生物たちはおそらく撮影のために捕らえられたり、殺すために用意されたものばかりで、動画の内容は明らかに動物愛護とは真っ向から対立するものです。
こうした動画が、いち早く規制されることを願うばかりです。