マラソンなどの長時間の激しい運動をした後にランナーが風邪をひきやすくなるというように、激しい運動はウイルスに対する免疫を低下させる可能性があることがこれまで多く報告されています。
しかし一方で、逆に激しい運動をしている人の方が風邪をひきにくくなるという報告もあり、激しい運動が免疫にどのような影響を与えているかについてはこれまでよく分かっていませんでした。
京都大学 大学院医学研究科の研究者らは、マウスにヘルペスウイルスを感染させて運動が免疫にどのような影響を与えるかについて調べました。
その結果、ウイルスに感染してから8時間後に長時間の激しい運動をしたマウスでは免疫が増強されてヘルペスウイルスの感染症状が軽減していた一方、ウイルスに感染してから17時間後に長時間の激しい運動をしたマウスでは逆に免疫が低下して感染症状が悪化していました。
研究者らがマウスの体で何が起きていたのかを詳しく調べると、運動後ではpDCという免疫細胞が血液中から骨髄に移動して一時的に免疫力は低下しますが、運動が終わってから6~12時間後には血液中のpDC数が一時的に上昇して免疫力が高まっていました。
つまり、どうやら激しい運動の後は免疫力が一時的に低下しますが、6~12時間後には逆に免疫力が一時的に高まるようです。
人でも同様の現象が起きているのかについてはまだ確認されていませんが、当然ながら運動直後はしっかり休息をとり、風邪をひいているときの運動はなるべく避けた方が良いでしょう。
Reference:運動は抗ウイルス免疫を正負に変動させることを発見 -ウイルスに打ち勝つ効果的な運動タイミング-
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