小さい頃に遊んだおもちゃというものは誰しも特別な思い入れがあり、ときに生涯に渡って影響を与えますが、必ずしも良い影響ばかりではないかもしれません。
幼い女の子がやせ型の人形で遊ぶと「細くなりたい」という願望が強まるという研究成果を、イギリス・ダラム大学が発表しました。
今回、研究者らは5~9歳の少女ら30人を対象に、まずコンピューターの画像を使って体型に関する認識や理想とする体型について答えてもらいました。
実験時の様子。Youtube DurhamUniversity『Impact of ultra-thin dolls on girls’ body image』より。
次に、少女らには「極細の体型の人形」、または「現実的な子供の体型の人形」を使って5分間遊んでもらいました。
実験で実際に使用された人形。Youtube DurhamUniversity『Impact of ultra-thin dolls on girls’ body image』より。
その後再度、少女らに理想の体型などに関する同じ質問に答えてもらったところ、「子供の人形」で遊んだ場合は大きな変化は見られませんでしたが、「極細の体型の人形」で遊んだ場合では自分の理想とする体型が大幅に細くなっていました。
また、その後に「現実的な子供の体型の人形」で遊んでも、少女らの理想とする体型は改善されなかったといいます。
研究者によると、現在広く流通しているファッション人形の推定BMI指数は10~16であり、今回の研究成果は少女たちの長期的な体型に対する不満につながる可能性があるもので、拒食症などの摂食障害などの原因にもなりかねないと指摘しています。
Reference:Can realistic dolls protect body satisfaction in young girls?