アメリカ・アーカンソー大学の研究者らはこのほど、結婚後の満足度に影響を及ぼす遺伝子タイプを発見し、研究成果が『Scientific Reports』に掲載されました。
これによると、ある特定の遺伝子型を持つ人では結婚後も相手を思いやり、幸せにできるだけでなく、自分自身も幸せになることができるといいます。
満たされた恋愛関係は人生の幸福度を大きく左右しますが、高いレベルの満足が得られるような恋愛関係を長期間維持することが難しいのも事実です。
多くのカップルは結婚の初期に満足度の低下を経験し、最悪の場合は婚約解消にまで発展してしまうこともあります。
アメリカ・アーカンソー大学の研究者らは、結婚後の満足度を維持することが難しい理由を遺伝子によって説明できるかもしれないと考え、71組の新婚カップルを対象に遺伝子検査と、および結婚後3年間に渡って4か月ごとにパートナーに対する感情を回答してもらい、遺伝子と結婚後の満足度との関連について調べました。
その結果、特定の遺伝子型を持つ人では、結婚後の満足度が高いレベルで維持されやすいことが明らかになりました。
具体的には近年、夫婦間の認知や行動に関連していると報告されている「CD38」の遺伝子型がCCの人は、ACやAAの人に比べて相手への感謝や信頼、許容のレベルが有意に高く、夫婦であることの満足度も有意に高いという結果が得られたといいます。
論文の特筆者は、今回の研究について「CD遺伝子型がCC以外の人たちは何らかの問題が発生する可能性がやや高いだけである」と説明したうえで、「結婚後に必ず問題を抱えるというわけではなく、結婚をあきらめる理由にはならない」と語っています。
Reference:Study Suggests Link Between DNA and Marriage Satisfaction in Newlyweds