飽和脂肪酸が多い食事を1回摂るだけで注意力が低下する可能性――オハイオ州立大学

大切な試験前などでは、直前の食事にも気を付けた方が良いかもしれません。アメリカ・オハイオ州立大学の研究者らが行った小規模な研究によって、飽和脂肪酸を多く含む食事を1回食べるだけで注意力が低下する可能性が示されました。

脂質のおもな構成要素である脂肪酸はおもに2種類に大別できます。
1つは常温では固まりにくい不飽和脂肪酸で、オリーブオイルやマグロといった植物性の油や魚に多く含まれており、血中の中性脂肪やコレステロール値を調整する働きがあります。

もう1つは常温で固まりやすい飽和脂肪酸で、バターやラードなどの動物性の油に多く含まれており、摂り過ぎると血中の中性脂肪やコレステロール値が上昇し、動脈硬化などを引き起こす原因となります。

アメリカ・オハイオ州立大学の研究チームは1回の食事が注意力に与える影響を調べるため、51人の女性参加者を対象に2グループに分け、一方には飽和脂肪酸が多く含まれる食事を、もう一方にはひまわり油などを使った不飽和脂肪酸が多く含まれる食事を摂取してもらい(両方ともエネルギー量930kcal,脂質60g)、約5時間後にコンピュータを使って注意力を測定する検査を受けてもらいました。

参加者はさらに1~4週間後に食事内容を入れ替えて再び検査を受けてもらい、研究者らは初回と2回目の検査の結果を統合して解析を行いました。

その結果、飽和脂肪酸が多い食事を摂取したあとでは、不飽和脂肪酸が多い食事を摂取した後と比べて、注意力の検査スコアが11%低いことが明らかとなりました。

論文の特筆者は「小規模かつ短期間の研究であり、飽和脂肪酸を摂取したことが注意力低下の原因であると証明されたわけではない」としたうえで、今後は男性も含めた、より大規模な研究で結果を検証する必要があるとコメントしています。

Reference:Our ability to focus may falter after eating one meal high in saturated fat -Ohio State News-

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