東京大学と産業技術総合研究所、科学技術振興機構の研究チームは、無秩序な集合体からナノメートルサイズの食塩結晶ができる瞬間をスローモーション映像で捉えることに成功しました。
結晶化現象は私たちにとって身近な現象ですが、原子レベルでの詳細なメカニズムについては議論が続いていました。
特に結晶化現象における最初の過程である核生成は、確率的な挙動とごく微小な時間・空間スケールの事象であることから、これまでの実験手法では解析が困難でした。
東京大学大学院 理学系研究科・理学部 2021年プレスリリースより
研究者らは2005年以来、「原子分解能単分子実時間電子顕微鏡(SMART-EM)イメージング法」と呼ばれる、カーボンナノチューブを担体として分子1つ1つの構造や形状の時間変化を原子分解能で追跡する分析手法の開発・研究を行っており、これにより有機分子を長時間安定して観察することが可能となりました。
この動画は塩化ナトリウム水溶液を水分散性円錐状カーボンナノチューブ(CNT)に内包させ、乾燥により水を除去して、カーボンナノチューブ内部の塩化ナトリウムが真空下で結晶化する様子を撮影したもので、CNTの先端部に1ナノメートル(10億分の1メートル)程度の塩化ナトリウム結晶核が繰り返し形成される様子を観察することができます。
東京大学大学院 理学系研究科・理学部 2021年プレスリリースより
今回の研究が成功したことにより、サイズ・構造選択的な結晶合成手法の開発や、天然の鉱物や歯・骨などの生体鉱物の生成機構解明につながることが期待されています。
Reference:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.0c12100
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