2003年に採集されたサメの標本から、世界で2例目となる大型ウオノエが発見される

北海道大学の研究者らは、17年前の2003年6月に東シナ海で採集された深海ザメの標本の口の中から、ウオノエ科の大型種を発見しました。

ウオノエ科は魚類の口の中やエラ、体表に寄生する甲殻類のグループで、深海や浅海、湖沼や河川まで広く分布しており、現在までに世界で約40属300種、日本からも12属36種が発見されています。

今回、研究者らは2003年6月1日に東シナ海で採集され、北海道大学総合博物館で保存されていたトガリツノザメから、全長約6cmのウオノエ科の大型種を偶然にも発見しました。


発見されたウオノエ科の大型種。
北海道大学のプレスリリースより

発見されたこのウオノエを3Dスキャンによって詳細に調べたところ、第一胸節の中央付近に特徴的な4つのくぼみがあり、研究者らは1981年に大西洋ブラジル南部のツノザメ類の口内から初めて発見され、40年にわたって報告例のなかった「Elthusa splendida」であると結論付けました。
このウオノエの発見は世界で2例目、太平洋では初の記録となります。

今回発見された「Elthusa splendida」にはまだ標準和名がありません。研究者らは、300種以上にもなるウオノエのほとんどが全長3~4cm程度であるなかで、全長約6cmという世界最大級の大きさをもつこのウオノエを「オオウオノエ」と呼ぶことを提案しています。

ウオノエのような寄生生物は地球上の生物多様性の大きな割合を占めると考えられていますが、実際にどのくらいの種類が存在しており、そしてどこに生息しているのかはよく分かっていません。

今回の発見は偶然によるものですが、研究者らは博物館に保管されている深海魚をはじめとする様々な生物標本は、その寄生生物の分布や生態を理解するうえでも重要な情報源になりうるかもしれないと期待しています。

この研究成果は2020年11月に公開された『Species Diversity』誌にオンライン掲載されています。