鹿児島県鹿児島市・かごしま水族館にある巨大な水槽「黒潮大水槽」で20年以上も展示されていたエイが、実は新種であることが明らかになりました。
この新種のエイは、これまでトンガリサカタザメとして展示されてきましたが、高知県にある黒潮生物研究所の小枝 圭太研究員が数年前にわずかな違いに気付き、研究を進めたところ新種であることが明らかになったそうです。
エピネシス・コラムズ
サカタザメは名前に「サメ」とありますが、エラや口が体の腹面についているため、エイの仲間になります。本種はトンガリサカタザメと異なり、頭部の三角になっている部分が丸みを帯びており、左右の胸ビレに黒い点があるとのこと。
この新種のエイは、腹側から見ると白い三角の布をつけたお化けのように見えることから標準和名として”モノノケトンガリサカタザメ”(学名:Rhynchobatus mononoke)と名付けられました。
かごしま水族館の公式facebookによると、このエイはこれまでのところ鹿児島県を含む南日本でしか確認されておらず、定置網などによってまれに漁獲される程度で、個体数は少ないとのことです。
NHKの取材に応じた小枝 圭太研究員は、「この種類のエイは絶滅の危険があり、中でも今回新種とわかったエイは九州の西岸というごく狭い範囲にしか分布していないため、貴重な発見だと思います」とコメントしています。
日本近海で新種のエイが発見されたのはおよそ10年ぶりで、この論文は2020年9月の日本魚類学会の国際学術誌で発表されました。
小枝 圭太研究員は黒潮生物研究所のブログにて、今回の発見について詳しく紹介しています。