進化生物学者が研究中に寄生生物「ウオノエ」を偶然発見、貴重な資料に

アメリカ・ライス大学で魚類学者がベラ科の魚をスキャンしている最中に、偶然にも寄生生物であるウオノエを発見しました。

舌と入れ替わる寄生生物「ウオノエ」

ウオノエはその見た目通り、ダンゴムシやダイオウグソクムシなどが属するワラジムシ目(等脚目)に分類される甲殻類で、世界で約400種が確認されています。

ウオノエは寄生生物のなかでも特に変わった生活史を持つことで知られています。生まれてしばらくは遊泳生活を送ったのち、やがて魚の体内に侵入して口内やエラ、お腹の中に寄生して体液を吸います。


サヨリのエラに寄生したウオノエの一種、サヨリヤドリムシ

特に口内に寄生する場合には、舌の血管を切断して吸血し、やがて舌は壊死してウオノエが実質的に舌に入れ替わります。寄生された魚は貧血や栄養障害、発育障害などを引き起こします。

研究中に偶然にもウオノエを発見

ライス大学で進化生物学を研究しているコリー・エバンズ(Kory Evans)氏は、魚類の進化に関する研究の一環として、頭蓋骨の形成過程や、どのような要因が髄骸骨の形状に影響を及ぼすのかを調べるために、ベラ科の魚およそ数百匹をスキャンして頭蓋骨の立体モデルを作成していました。

今年8月、エバンズ氏がいつも通り朝からスキャンを開始したところ、なぜか口の中がいっぱいになったベラを発見しました。口の中に何かが入り込んでいるように見えたものの、ベラの仲間は海藻をエサとするため、本来このような異物が入っていることはありません。

エバンズ氏がこのベラをスキャンをしたところ、寄生していたウオノエを偶然にも発見しました。

この発見について、ウオノエのさまざまな研究者からの問い合わせが相次いだそうで、エバンズ氏は「関心を持つ人の多さにすごく驚いた。本来の研究プロジェクトが完了したあとはサイドプロジェクトとして、ウオノエに関する論文を書くかもしれない。」とコメントしています。

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