オーストラリアのサンシャインコースト大学の研究者らはこのほど、オーストラリアの有袋類、ヒメフクロネコのオスが一生に一度の繁殖期のあとで死んでしまう理由の一端を解明したと発表しました。
Carnivorous Marsupials | No Right Being This Cute -Terra Mater-
オーストラリアに生息する絶滅危惧種、ヒメフクロネコ(Dasyurus hallucatus)のオスは、7~8月の一生に一度の繁殖期の後に死ぬことが知られている世界最大の哺乳類です。しかしこれまで、早く死んでしまう理由は詳しく分かっていませんでした。
そこで研究者らは、メス6匹、オス7匹の合計13匹のフクロネコに加速度計を装着してその行動を追跡しました。その結果、調査期間内での歩行時間がメスでは8.93%だったのに対しオスが13.09%、さらに休息時間はメスでは23.65%であったのに対しオスでは7.67%というように、メスよりもオスの方がはるかに活発であることが確認されました。
Resting disparity in quoll semelparity: examining the sex-linked behaviours of wild roaming northern quolls (Dasyurus hallucatus) during breeding season -THE ROYAL SOCIETY-
研究者らは、依然としてヒメフクロネコの死因は明らかではないものの、オスが交尾のために”休む間を惜しんで”メスを執拗に探したり追い回したりすることによって自らの寿命を縮めている可能性があるとして、今後さらなる研究を進めていく方針です。
▽ヒメフクロネコが登場する紹介動画