熊本大学の研究グループはこのほど、抹茶にうつ症状を軽減させる効果があることをマウスによる実験により明らかにしました。
私たち人間は長いあいだ不安やストレスが続いたり、社会的に孤立しているとうつ病になってしまいます。
それはマウスも同じで、特に他の仲間がいないような孤立した環境では人間と同じようにうつのような症状が現れはじめます。
本研究によると、こうしたマウスでは人間と同じように脳内ではドーパミンと呼ばれる神経伝達物質に関わる脳の機能が低下していました。
エピネシス・コラムズ
うつ様症状が発生しているマウスでは前頭前野や側坐核、腹側被蓋野などのドーパミン神経回路の活性化状態が著しく低下しています。熊本大学大学院生命科学研究部の研究グループは、”強い”うつ症状が出ていたマウスに抹茶を飲ませると、弱くなっていたドーパミンに関わる脳の機能が活性化し、うつ症状が軽減することを確認しました。
ただし、もともとドーパミンに関わる神経回路がよく活性化している「うつに強いマウス」で試したところ、孤立させてもうつ症状が弱く、抹茶を与えても行動にも変化はみられませんでした。
Resource
抹茶がうつ様行動を軽減するメカニズムの一端を解明 -熊本大学-
どうやら、抹茶は「ドーパミンに関わる脳の機能を改善させる」ことによってうつ症状を軽減させており、強いうつ症状が現れているマウスのみ効果がみられるといった”個人差”があるようです。
あくまでマウスでの実験であり、この研究成果は「抹茶を飲むことでうつに強くなる」「抹茶でうつは治せる」というものではありませんが、抹茶を飲むと落ち着くのは、特に私たち日本人が古くから知っている確かな事実です。
今日、一息入れるときはぜひ抹茶にしてみませんか。
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抹茶がうつ様行動を軽減するメカニズムの一端を解明 -熊本大学-