大阪大学レーザー科学研究所らの研究グループは、レーザー光を照射して蛾を打ち落とす手法を確立することに成功し、このほど「レーザー学会学術講演会第43回年次大会」にて発表を行いました。
蛾による農作物の被害は甚大で、これまでこうした害虫駆除は化学薬剤が使われていましたが、繰り返し使っていくと次第に害虫たちが薬剤に対して抵抗性を持つようになり、だんだん効きにくくなっていきます。
近年ではレーザー光を照射して害虫を直接駆除する研究が進められていますが、これまでは蚊などの小さな害虫にのみ有効で、蛾などの比較的大きな昆虫を撃ち落とすには大きなエネルギーが必要でした。
▽Intellectual Ventures社の蚊を撃ち落とすレーザー技術
そこで大阪大学レーザー科学研究所らの研究グループは、キャベツなどの害虫として知られるハスモンヨトウを対象にレーザー光で照射実験を行い、頭部と胸部が弱点であることを発見しました。
この弱点を狙うことができれば、比較的小さなエネルギーでも撃ち落とすことが可能となります。研究者らはさらに、ハスモンヨトウを画像検出して追尾し、レーザー光で実際にこれを撃ち落とすことに成功しました。
今後はより甚大な被害を生み出しているサバクトビバッタなどにも応用していく方針であるといいます。
Resource
青色半導体レーザーを用いた害虫の撃墜 -ResOU-