ライチを大量摂取した児童が脳炎によって集団死、原因は?

2019年6月29日


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インドの東部、ライチの名産地として知られるビハール州ムザファルプール県の2か所の病院からの報告によると、果物のライチ(レイシ)を大量に食べたとみられる児童47人が相次いで脳炎にかかり、死亡したという。


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ライチは熱帯・亜熱帯域で栽培されている中国南部原産の果物。日本でも沖縄や九州南部で栽培されているが、流通しているライチの99%は海外からの輸入だ。

ライチの大量摂取による集団死は、実は今回が初めてではない。ライチの名産であるムザファルプール県とその周辺では、1995年以降からライチの収穫が可能になる夏頃になると脳炎を発症して死亡する児童が多発するという。

当初はウイルスが原因であるとされていたが、患者の髄液を検査しても疑わしいウイルスは検出されなかった一方で、不思議なことにライチの収穫時期脳炎を発症した児童の増加時期が一致しており、さらに脳炎を発症した児童は、一般的な児童と比べてライチの農地で過ごす時間が非常に長いことも指摘された。この奇妙な関連性から、ライチを調べた研究者らによってついに原因が明らかとなった。

なぜライチで脳炎が起きたのか?

原因はライチの、主に種子に含まれる微量な毒素だ。メチレンシクロプロピルグリシン(MCPG)という化合物はブドウ糖の合成を阻害する作用があり、栄養不良状態の児童らがライチを大量に摂取すると低血糖および低血糖脳症を引き起こすのだ。

大量摂取から数時間~数日のうちに頭痛、異常な喉の渇き、発汗、嘔吐などの症状が現れ、重症化すると急性脳炎を発症、昏睡状態に陥り、最悪の場合は死に至るという。

原因は明らかとなったが、問題の根はもっと深いようだ。この毒素は熟していないライチの果実に高いレベルで含まれており、発症した児童の大半はもともと栄養不良の状態にあったという。貧困に苦しんでいる子供が、まだ熟していないライチの果実に手を伸ばし、空腹を満たそうとした結果である可能性が高いという。発症した児童の治療や、必要な予防策を講じるとともに経済的な支援などの根本的な解決が望まれる。

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