パイナップルやキウイに含まれるタンパク質分解酵素とは?


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生のパイナップルを口にしたとき、何となく口の中や舌がピリピリと痛んだことはないだろうか? これはタンパク質分解酵素であるブロメラインの働きによるものだ。これが口内粘膜のタンパク質に作用して口内を傷めてしまうのだ。ブロメラインと同じような働きをするものに、キウイに含まれるアクチニジンやパパイヤに含まれるパパインといったものがあり、これらの食品も食べるとやはり口の中がピリピリしてしまうことがある。

口の中がピリピリしてしまうのは生のパイナップルだけであって、例えば缶詰などの加工されたパイナップルなどでは起きない。これはパイナップルを缶詰加工する際に加熱処理を行うためだ。タンパク質分解酵素もまたタンパク質であるため、熱によって変性してその働きが失われてしまうからだ。

酢豚に材料としてパイナップルを使用する目的の1つに、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素のブロメラインがお肉を柔らかくする働きがあると説明されることがあるがこれはあまり正しくはない。確かにタンパク質分解酵素にはお肉を柔らかくする働きがあるものの、具材と一緒に炒めるだけでは効果を十分に発揮することができない上に熱によってブロメラインが変性してしまうため、具材のお肉を柔らかくする効果はあまり期待できない。

酢豚にパイナップルを加えることによって生まれる独特の風味が好きだという方は、むしろ形が崩れない程度にパイナップルを長く加熱することによって甘みが増し、酸味が全体にほどよく溶ける。熟れてないために甘みが少なく青っぽさの残るパイナップルは酢豚に活用するといいだろう。

酢豚のお肉を柔らかくするのであれば、酢豚で使用するお肉を調理前に細かく刻んだパイナップルにあらかじめ漬け込んでおくといいだろう。お肉を柔らかくするための酵素が含まれている調理粉末はスーパーなどでも手に入るが、他の簡単な方法としてヨーグルトに漬け込むという方法もある。ヨーグルトの乳酸菌は、代謝に必要なアミノ酸を得るためにタンパク質を分解するための酵素を放出する働きため、漬け込んだお肉は柔らかくなる。

生のパイナップルやキウイでゼリーを作るとうまく固まらない原因もタンパク質分解酵素によるものだ。ゼリーを作る際に使用されるゼラチンの主成分はタンパク質であるため、生のパイナップルやキウイ、パパイヤなどに含まれるタンパク質分解酵素がゼラチンを分解してしまう。これらのゼリーを作るときはタンパク質を含まない寒天で代用してゼリーを作るか、少し煮て加熱させてから材料として使用するといいだろう。