数学界の難問を解決し、姿を消した天才数学者グレゴリー・ペレルマンとは?

2017年9月7日


Mystery Man flickr photo by cogdogblog shared under a Creative Commons (BY) license

ロシアの数学者、グレゴリー・ペレルマン。彼の業績、そして行動はあまりに有名である。数学界における7つの重要な未解決問題「ミレニアム問題」の1つにも数えられる難問「ポアンカレ予想」を独力で証明し、そして数学界からこつ然と姿を消したのだ。

彼は1966年、サンクトペテルブルクで電気技師の父と数学教師の母の間に生まれた。学生時代からその才能を発揮し、国際数学オリンピックを最年少で出場して金メダルを獲得。その後はアメリカの大学で研究を始め、「ソウル予想」と呼ばれる未解決問題を証明。この未解決問題に関する膨大な研究論文に反して、ペレルマンの証明論文はたった5ページという非常に簡潔なものであったという。

1995年に帰国するとサンクトペテルブルクにあるステクロフ数学研究所に入所。そして2002年に幾何学に関する難解な未解決問題「ポアンカレ予想」の証明を完成させるが、”あろうことか”権威ある数学誌などではなくインターネットの論文発表サイト「arXiv」に掲載。それまで彼がポアンカレ予想の証明に挑んでいたということは誰も知らなかったという。

その証明方法は驚くべきもので、物理学における「熱力学」新たな数学的手法を用いたり、さらには別の未解決問題を証明した上でポアンカレ予想の証明に利用していたという。

しかし彼は2005年に退職届を提出。高額な賞金で知られるミレニアム賞の受賞や「数学のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞の受賞を辞退し、さらには偉業を成し遂げた功績名誉を捨てて彼は数学界から姿を消したのだった。現在では、サンクトペテルブルクの町の一角で母親と静かに暮らしているという。もしかしたら現在でも人知れず、前人未到の難問に挑んでいるのかもしれない。

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