水族館の魚が共食いをしない理由とは?


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水族館ではいくつかの種類の魚を同じ水槽で展示していることが多い。特に大規模な水槽展示では数十種類もの魚が入り乱れるように泳いでいるが、水槽にいる魚は他の魚を食べたりしないのだろうか?

実のところ、魚は基本的に自分の口に入るような大きさの獲物しか食べないので、同じ水槽の魚がある一定以上の大きさであると他の魚を襲うことはほとんどないのだ。水族館では稀に弱ったイワシなどの小さな魚が食べられることもあるが、それも群れからはぐれてしまったり、病気など何らかの理由で遊泳能力が低下している場合に限られるという。

同居させる魚の種類もしっかり選んでいる。よく大きな水槽で飼育される魚のほとんどはプランクトンや小さな魚などを食べる種類であることが多い。何でも食べようとするような食欲旺盛な魚はそもそも別の水槽で飼育されているのだ。

また、徹底した給餌管理によって魚の食欲を常に満たしているため他の魚を襲って食べようとすること自体がそもそも少ないのだという。むしろ、自然のなかで生活していた食べ物よりも水族館で与える餌の方を好んで食べる傾向すらあるという。さらには、餌を与え続けると次第に魚は獲物を追わなくても餌が得られることを学習するというのだ。

これらの管理をしているとはいえ、相手は生き物。運が良ければ、あるいは悪ければ水族館で他の魚を捕食する瞬間をあなたは目撃できるかもしれない。

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