百獣の王「ライオン」の”プライド”とは?


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ライオンは十数頭のメスライオンと1~3頭ほどのオスライオンで群れを形成することで知られており、この群れは”プライド”と呼ばれる。なぜプライドと呼ばれるようになったかは諸説あって、英語の「誇り」を意味する”pride”がそのまま使われるようになったものか、あるいは「獲物」を意味する”prey”やラテン語の「用意する」という意味の”prepare”が語源であるとする説もあるが、少なくとも500年前からライオンの群れはプライドと呼ばれるようになったという。

この群れの頂点に君臨するのはオスライオンだ。群れで狩りを行うのは基本的にメスライオンの役目で、うまく連携をとって集団で狩りを行う。狩りに成功するとオスライオンがやってきて獲物を独占しようとするので、メスライオンはオスライオンが来る前に獲物をすぐに食べ始める。ある程度オスライオンが満足するとメスライオン達は再び獲物にありつくことができるのだ。

最後に食べるのは仔ライオンであるが、ほとんど肉が残っていないこともある。メスライオンは仔ライオンのために餌を残してあげることが多いものの、獲物が少ない場合は仔ライオンにまで餌を残さずに食べてしまうのだ。産まれてから2年経過したときのライオンの生存率はなんと20%程度で、多くは育児放棄されたのちに捕食者から狙われたり餓死してしまう。

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Lioness and her Cub flickr photo by gregw66 shared under a Creative Commons (BY-SA) license

産まれた仔ライオンが大きくなるとメスはそのまま群れに残り、オスは単独または兄弟でプライドから独立する。このような放浪生活を行うオスライオンは「ノマド」と呼ばれ、メスのみからなるプライドに受け入れてもらうか、プライドを支配するオスに戦いを挑み、群れを統率する権利を勝ち取らなければならないのだ。

群れを獲得してからも油断はできない。放浪している他のオスライオンからその王座が常に狙われているからだ。群れに君臨するオスライオンは年老いていく体で、体力のある若いオスライオンの挑戦に対して常に勝ち続けなければならないのだ。


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戦いに敗れたオスは悲惨な末路を辿る。再び孤独に放浪し、やがて獲物を取ることができなくなって餓死したり、戦いに負けた際に受けた傷が原因となって衰弱死してしまう。それは群れを獲得できなかったオスも同じことだ。いずれにせよ、オスに産まれたライオンは幸福な最期を送ることができない宿命にあるのだ。築き上げてきた繁栄のために、そしてこれからの繁栄のために、オスの”プライド”を賭けた戦いは続いていく。