肉や魚を冷凍したときの化学変化とは?

2017年6月17日

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冷凍保存は今や食品を長期保存するための一般的な方法となっている。冷凍庫の温度は雑菌が増殖することもなく栄養成分の変化も遅くなるからだ。しかし,食品が低温にさらされたときの化学変化に気を付ける必要があるのだ。

肉や魚などを冷凍させると,細胞の外側から凍っていく。このとき,細胞膜は水を透すが氷は通さないような性質を示し細胞外の氷細胞内の水蒸気圧差によって,細胞内の水は徐々に細胞外へと移動していくのだ。

また,水は氷になるとき体積が膨張するような「異常液体」であり,細胞の外へと移動した水は凍ることによって体積が膨張し,細胞を壊してしまう。肉や魚を解凍させた時に出る液体は「ドリップ」といい本来は細胞内にあったうま味成分が水分の移動や細胞の破壊などによって外へ流れ出してしまったものなのだ。このドリップは調理した後の臭みを引き起こす原因にもなる。


Raw Meat flickr photo by John Loo shared under a Creative Commons (BY) license

解凍時,皿の下に溜まった液体が”ドリップ”と呼ばれるものだ。自然解凍させると酵素の働きにより栄養素の分解や劣化などが進行するため氷水を使って解凍させるか冷蔵解凍させると良い。

こうした肉や魚を冷凍したときに起きる水分の移動は細胞の外側だけが凍っているときによく起きるので急速冷凍をすることによって水分の移動を抑え細胞が壊れてしまうのを防ぐことができる。急速冷凍は冷凍庫の急速冷凍モードを使うほか保冷材を乗せたり,金属トレイの上で食品を冷凍させる方法もある。

ドリップの滲出は肉や魚でよく問題となるが細胞の破壊は野菜や果物などの冷凍保存でも起きるのでこの場合もやはり急速冷凍する方法がおすすめだ。急速冷凍をしっかり活用して,日々の食生活を楽しもう。

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