勃起したエジプト神「ミン」とは?


Sarcophagus of Harkhebit IV flickr photo by andryn2006 shared under a Creative Commons (BY-SA) license

日本の神道と同じように、古代エジプトは信仰の対象となるような神が数多く存在する多神信仰で、古くから多くの神々が崇拝されてきた。その神々の中でも、一度見たら忘れられないような強烈な特徴を持つエジプト神がこのミン神だ。

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By Jeff Dahl (Own work) [GFDL or CC BY-SA 4.0-3.0-2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

ミン神は頭に2枚の羽毛がついた頭飾りを着けており、手には唐竿を持ち、そして男根が勃起しているという凄まじいインパクトのあるエジプト神だ。その姿に反してエジプト神の中で最も長い歴史を持つ。雨や作物の豊穣、そして生殖力を司る神としてこれまで多くの人々に信仰の対象として崇拝されてきた。

足が揃えられていたり、包帯が巻かれているように描かれるのはミン神が既にミイラであるからだ。元々は天や生命などを司り、エジプトにおける至高の神であったともいわれている。

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By Karl Richard Lepsius: Denkmäler aus ägypten und äthiopien 1849, Tafel II, Band IV, available online see p. 151 plates g and h [Public domain]via Wikimedia Commons

このミン神の供物はなんとレタスだったそうだ。一説にはレタスから出る白い分泌液が性を連想させ、精力を増進する効果があると信じられていたためといわれている。そのためか、ミン神にはレタスの苗床が一緒に描かれていることが多く、ミン神の神殿においてもレタスが栽培されていたという。


Ptolemaic Temple Reliefs at Deir el-Medina (XIII) flickr photo by isawnyu shared under a Creative Commons (BY) license

この勃起した姿は古代エジプトにおける子孫繁栄や多産願望が強く現れているといえる。エジプト神の中で、ミン神が最も長い歴史を持つのは一族への想いや願いを体現していたからなのかもしれない。

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