味覚を強く感じる人々「スーパーテイスター」とは?

2016年2月27日

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常人より味覚を強く感じる人々がいる。「スーパーテイスター」と呼ばれる人々は味覚を感じ取る器官である味蕾が存在する舌乳頭と呼ばれる小突起の数が舌の直径7mmの範囲の中に35個以上存在しており、さらに舌乳頭1つにある味蕾の数も一般的な人より高密度で多い

彼らは水500mlに対して砂糖3gを入れた砂糖水と普通の水を区別できるほど敏感な味覚を持つ。また,基本味と呼ばれる甘味,苦味,酸味,塩味,うま味を強く感じ取ってしまうので特定の食品に対する好き嫌いが激しく、苦味の強いコーヒーやピーマンなどを飲食できない場合が多い。また、塩分濃度にも過敏で味付けや調理方法に対して批判しがちなのだという。アメリカでは約25%、つまり4人に1人がスーパーテイスターに該当するといわれている。

1931年、化学会社デュポンのアーサー・フォックス苦味物質であるPTC(フェニルチオカルバミド)の研究をしていた際に誤ってRTCの粉末結晶を落とした。PTCが口に入ってしまった周りの研究者は苦味を感じたが、フォックスは苦味を感じなかった。スーパーテイスターは偶然発見されたのだ。

スーパーテイスターは食生活習慣に大きく関わる要因であり、例えばアルコール依存症は苦味物質であるPTCを受容するTAS2R38という味覚受容体が少ない事との関係が見い出されており、味覚受容体が多く存在するスーパーテイスターではアルコール依存症などの特定の生活習慣病に罹りにくいといわれている。

また、スーパーテイスターは塩分が高く濃い味付けを避ける傾向にあり、高血圧動脈硬化などのリスクは低いのだが植物由来の苦み成分も強く感じてしまうので生野菜や苦味の強い野菜を避けてしまい、逆に食物繊維などの不足から腸の病気に罹るリスクが高くなるという。

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ところで、幼児に野菜が嫌いな子が多いのは何故だろうか?実は、味蕾の数は歳をとるにつれ減少していくことが知られている。胎児期から乳児期では約1万個ある味蕾は成人では約6,000~7,000個に減少してしまうのだ。人は生まれたとき、誰しもスーパーテイスターであったといえる。

野菜に含まれる苦味の多くは、毒物を避ける為の仕組みで苦味を感じる植物の多くは毒を含むものも多いが、それでもピーマンやブロッコリーを食べれるのは脳が無害であることを学習したためであり、幼児が野菜を苦手とするのは味覚が多いことも理由の一つであるが、脳がまだ無害であることを学習できていないのだ。

もしあなたが野菜嫌いでスーパーテイスターの可能性があるとしても無理なく少しずつ食べる事で克服し、健康リスクを回避する事が出来るのだ。

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