呪いのブルーダイヤ「ホープダイヤモンド」とは?


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ダイヤモンドの輝きは、古来より多くの人々を魅了してきた。中でも青色の美しい輝きを放つブルーダイヤモンドは希少価値が高く、高い品質のものは数億円で取引されることも少なくない。そんなブルーダイヤモンドの中で最も有名なものが「ホープダイヤモンド」と呼ばれるダイヤモンドである。

このダイヤモンドは45.52カラット(9.1g程度)で、世界最大のブルーダイヤモンドであり、日本円にして200~300億円以上の価値があるという。現在はアメリカのスミソニアン博物館に保管されているが、所有者に不幸をもたらす「呪いのダイヤモンド」としても知られている。


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スミソニアン博物館の一つ,国立自然史博物館に展示されているホープダイヤモンド。

言い伝えによれば、事の発端はフランスのダイヤモンド商人であるジャン・バティスト・タヴェルニエ(またはジョン・バティスト・タヴァーニア)がインドの寺院でラーマーシーターという女神像の目からこのダイヤモンドを盗んだことが呪いの始まりだと言われている。

タヴェルニエはその後野犬(または狼)に殺され、生前にタヴェルニエからダイヤモンドを購入したルイ14世は晩年に戦争による財政破綻が起きたり、彼の子供が相次いで亡くなり、唯一生き残りわずか5歳で即位したルイ15世は後に天然痘にかかり息を引き取った。

ダイヤを受け継いだルイ16世は王妃マリー・アントワネットと共にフランス革命によって処刑され、この革命中にダイヤは盗難に遭うも時効となる20年後に再び発見され、ホープダイヤモンドの名前の由来にもなった銀行家の富豪ヘンリー・フィリップ・ホープによって購入されるが、ホープ家は購入から数年で破産したという。

他にも数多くの逸話が残っているが、これらの言い伝えには数々のねつ造が明らかとなっており、例えば前述のタヴェルニエは実際には84歳の長寿だったというのだ。


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フランス革命によってルイ16世と共に処刑されたマリー・アントワネット。しかし、彼女がこのダイヤを身に着けた事は無かったという。

言い伝えの真偽はともかく、宝石としての価値は非常に高い。45.52カラットというブルーダイヤモンドとしては大変珍しい大きさであるにも関わらず、その長い歴史の中で好みの形に,あるいは盗品である事を隠す為にカットされ続けており、ルイ14世に購入される際には112カラット以上あったという。

数々の逸話と年齢・時代・国籍を超えて、多くの人を魅了し続けるホープダイヤモンド。現在はスミソニアン博物館の一つ、国立自然史博物館に展示されており一般人にも公開されている。あなたもぜひ、その美しさに魅了されてはいかがだろうか。

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