小学校などの理科の実験で使った覚えのある方も多いであろうリトマス試験紙。一体どのようにして使うのか、皆さんは覚えているだろうか?
リトマス紙の使い方
リトマス紙はリトマス試験紙とも呼ばれ、赤色と青色の二種類が存在する。
酸性の試料溶液に赤いリトマス試験紙を浸すと色は変化しないが、青いリトマス試験紙を浸すと赤色に変化する。
また、アルカリ性の試料溶液に青いリトマス試験紙を浸すと色は変化しないが、赤いリトマス試験紙では青色に変化する。
そして中性に近い試料溶液ならどちらの色も変色しない。この性質を利用して試料溶液が酸性かアルカリ性かを判定するのがリトマス試験紙だ。
リトマス紙はどのようにして作られるのか?
実は、リトマス紙は「リトマスゴケ」と呼ばれる植物を原料にして作られている。リトマスゴケはリトマスゴケ科に属する地衣類の総称で、通常は海岸の岩石や樹上に着生しており、このリトマスゴケから抽出して得た紫色の色素こそリトマス紙の名前の由来ともなっている「リトマス(litmus)」なのだ。
リトマスは1300年頃にスペインの医師・薬剤師であったアルナルドゥス・デ・ビラ・ノバ(Arnaldus de Villa Nova)により発見された。その語源は一説によると古ノルド語の”litmosi”に由来するとされており、”lit”は染料や色、”mosi”は苔(コケ)の意味であるという。
このリトマスはアゾリトミンやエリスロリトミンをはじめとする数種類の化合物からなる混合物で、抽出されたリトマスをアルコールに溶かし、これにアンモニアまたは塩酸(もしくは硫酸)を添加してあらかじめ赤色と青色に変色させるのだ。これをろ紙に浸して乾燥させて切り分けるとお馴染みのリトマス紙となる。
かつては代表的なリトマスゴケであるRoccella tinctoriaをはじめ数種がリトマス紙の製造に利用されていたが、現在ではリトマスを化学的に合成して作られるそうだ。
さらに、赤色や青色に変色させずに紫色のまま使う「リトマスニュートラル」と呼ばれるリトマス紙もあるという。
By Christian Hummert (Ixitixel)GFDL or CC-BY-SA-3.0, via Wikimedia Commons
原料となるリトマスゴケ科Roccella属の一種。
近年では通販でも簡単に入手できるようになったリトマス紙。低学年の児童にも酸性とアルカリ性を簡単に分かりやすく学ぶことができるので、夏休みの自由研究や家庭教育などにもぜひ活用したい。
現在よく読まれています
- 車に踏まれても潰れない異常な強度を持った昆虫の秘密が明らかになる、カリフォルニア大学・東京農工大学
- アフリカジャコウネコのミルクの飲み方が下手過ぎると話題に
- 抹茶には抗うつ効果があることが明らかになる――熊本大学
- ホホジロザメを料理して食べた中国の配信者に240万円もの罰金が科せられる
- ラッコの水槽掃除がめちゃくちゃ過酷な理由とは?鳥羽水族館がYoutubeに動画を公開
- 単独飼育なのに突然出産したシロテテナガザル、その謎が明らかに
- 蚊は血を吸い過ぎて爆発はしないが、お腹の神経索を切断すると血を吸い続けて破裂する(閲覧注意)
- 家に住みついたキツネの親子のお引越し動画が可愛すぎる
- 逃げるリーチュエと追いかけるクロコダイル、ギリギリの追跡劇
- 魚がウナギを口移しで送り込む謎の動画が再生数1,000万回を突破、「不気味過ぎる」と大きな話題に
- グンタイアリに噛みつかせることで傷口を縫合するライフハック
- オンデンザメの目に寄生して盲目にする謎の寄生虫「オマトコイタ」とは?
- ハリガネムシに寄生されたカマキリが水に飛び込むメカニズムが明らかになる――神戸大学ら
- Twitterで「猫のうんこ顔選手権」が開催、さまざまなトイレ事情のある猫ちゃんが集まる
- 有袋類ヒメフクロネコのオスは性欲が強すぎて早死にしている可能性、サインシャインコースト大学
- 飢餓になると逆にお腹が膨らむ?クワシオルコルとは?
- バウムテストの解釈一覧、あなたが描いた木から性格を見抜きます!
- 宮城県の寺院で4つ目のカモシカが目撃される、「神の使い」との声も
- マンハッタンのとある区画にしか生息しないアリ、マンハッタンアリとは?
- サメのヒレだけを切り取って海へと捨てる「シャークフィニング」とは?