Star Finch flickr photo by Laurie R B shared under a Creative Commons (BY-SA) license
動物の体にみられる模様には、周囲の環境に溶け込むものがある一方で、派手で目立つものも多くあります。例えば縞模様や水玉模様などがありますが、どのように進化してきたのかについてはあまりよく分かっていません。
そこで北海道大学の研究者らはコモンチョウに注目しました。コモンチョウは着物の小紋柄のような白い水玉模様を持っており、求愛の際には水玉模様で覆われた部分だけ羽を膨らませてアピールします。
また、これまでの研究で粒状のエサを食べる種ほど羽に水玉模様を持つ傾向があることも分かっており、研究者はコモンチョウは水玉模様を好むのではないかと推測しました。
研究者らは飼育下のコモンチョウに水玉模様(黒地に白い水玉)、または縞模様の紙をケージの両端にそれぞれ置いて行動を観察するテストを行いました。
その結果、コモンチョウはエサがなく空腹の状態では縞模様と比べ水玉模様をよく見るだけでなく、まるでエサをついばむように水玉模様をつつく行動を示しました。また、エサがある状態ではつつく行動はほとんどみられなくなりましたが、縞模様よりも明らかに水玉模様を気にしており、その差は圧倒的であったといいます。
もっとも多い個体では1時間に500回以上(10秒に1回以上)の割合で水玉模様を見ており、どうやらコモンチョウにとって水玉模様には抗いがたい魅力があるようです。
グッピーなどの一部の魚類では体表にエサによく似た模様を持つものがおり、求愛の際に相手を惹きつけるのに役立つことが報告されていますが、プレスリリースで研究者らはコモンチョウも同様の理由で説明できる可能性があると説明しています。
Reference:水玉柄の鳥は水玉模様が好き~コモンチョウの特性理解で,動物にみられるさまざまな模様の進化解明に新展開~