ボランティア活動の積極的な参加で全体の死亡リスクが低下、ハーバード大学

2020年7月5日

Campus Clean Up Day 2010
Campus Clean Up Day 2010 flickr photo by Siena College shared under a Creative Commons (BY) license

ボランティア活動への参加が長寿につながる可能性があることをこのほど、アメリカ・ハーバード大学が明らかにした。研究者らは、大規模パネル調査「Health and Retirement Study (健康と退職に関する調査) 」の参加者を対象に、50歳以上の米国人1万2,998人を4年間追跡し、ボランディア活動に参加した時間と健康についてのコホート研究を行った。

対象者(100%)のうち、ボランティアに全く参加しなかった人は8,064人(62%)、ボランティアに年間1~49時間参加した人は1,794人(13.8%)、年間50~99時間参加した人は1,150人(8.8%)、年間100時間以上参加した人は1,990人(15.3%)であった。参考までに、年間100時間は1週間で約2時間ほどの活動参加に相当する。

解析の結果、ボランティア活動に年間50~99時間参加していた人は、ボランティア活動に全く参加していなかった人と比較して全体的な死亡リスクが28%低く、ボランティア活動に年間100時間以上参加していた人では死亡リスクが44%も低くなったという。

さらに身体機能に制限が生じるリスクは、ボランティア活動に全く参加していなかった人と比較して、年間50~99時間参加していた人では17%、年間100時間以上参加していた人では16%と有意に低くなっていたという。

この研究では、ボランティア参加時間が年間1~49時間の人と、ボランティア活動に全く参加しなかった人との間では、全体の死亡リスクや身体機能制限のリスクに有意差はみられなかったという。

このほか、ボランティア参加時間が長い人では、主観的な健康感が高く、身体活動量も多いうえに、孤独や絶望を感じることが少なく、友人と連絡を取る頻度が高い傾向が認められた。

ただし、ボランティア参加時間とさまざまな疾患、例えば糖尿病や高血圧、脳卒中、がん、心臓病、肺疾患、関節炎、肥満、認知機能障害、慢性疼痛などの症状との関連は認められなかったという。

論文の特筆者は、「さまざまな慢性疾患に対する直接的な影響は確認できなかったものの、利他的な活動は全体の死亡リスクを低減させることに繋がり、人間という社会的な生物は利他的行為によって心身が報われるのかもしれない」とコメントしている。

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