世界最大の”種子銀行”が新たに6万種を追加、スヴァールバル世界種子貯蔵庫

スヴァールバル世界種子貯蔵庫

旧約聖書『創世記』によれば、ノアは神から命じられて箱舟を作り、世界中の動物のつがいを1組ずつ乗せて大洪水から救った――この”ノアの箱舟”と同様に、来るべき未曽有の大災害――例えば大規模な気候変動や核戦争などによる”世界の終末”に備え、北極圏にあるスヴァールバル諸島には世界中のあらゆる種子が保管された世界最大の種子貯蔵庫がある。

スヴァールバル世界種子貯蔵庫は今年2月25日、世界各地から提供される種子6万種を新たに受け入れる方針を明らかにした。これにより、貯蔵される種子は合わせて105万種にも上るという。

貯蔵量は”まだまだ”

これだけでも相当な量の種子を保存しているように思われるが、スヴァールバル世界種子貯蔵庫には最大で450万種もの種子を貯蔵することができるため、実はまだ貯蔵限界の1/4にも達していないのだ。私たちが利用する有用な作物品種が200万種以上であることを考えると、世界の終末に備えるとするならば現在の貯蔵量はまだまだ”不十分”であると言えるだろう。

SGSV entrance tunnel
SGSV entrance tunnel flickr photo by Dag Endresen shared under a Creative Commons (BY) license

世界には1,500か所以上種子貯蔵庫が存在しているが、スヴァールバル世界種子貯蔵庫ほど厳重に管理されている施設はない。通常の種子貯蔵庫では、不適切な管理や停電などのトラブルによって発芽率が極端に低下していることも少なくないが、スヴァールバル世界種子貯蔵庫では、もし冷却用の電源が失われても永久凍土という優れた保存環境によって庫内は氷点下に保たれるのだ。

しかし、2016年には北極圏の気温が異常に上昇し、永久凍土が解けて貯蔵庫のトンネルの入り口が浸水するというアクシデントが起きてしまったという。大規模な気候変動に備えるための施設が、気候変動そのものによって脅かされるという事態に見舞われたのだ。スヴァールバル世界種子貯蔵庫が備える”世界の終末”は、遠い未来の話ではないかもしれない。

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