京都大学の研究者らは、強いオスほど「猿団子」の一番暖かい内側を陣取っていることを明らかにしました。
ニホンザルでは、しばしば寒さを凌ぐために身を寄せ合って温まる「猿団子」がみられることがあります。
特に香川県・小豆(しょうど)島の銚子渓(ちょうしけい)では、100頭以上からなる非常に大きな猿団子を形成することで知られています。
研究者らは、小豆島の銚子渓で生活しているある大きな集団を対象に野外調査を行い、100枚もの猿団子の写真を撮影して分析を行いました。
その結果、高順位のオスほど暖かい猿団子の内側を陣取り、より多くの個体と接触していることが明らかになりました。
どうやら、強いオスほど猿団子のより内側の方に割り込むことができるようです。
香川県小豆島の銚子渓周辺で撮影された猿団子。内側で大きく口を開けているのが最上位のオスです。
京都大学のプレスリリースより
寒さによる体温の低下は免疫能力や繁殖機能の低下に繋がるため、猿団子における位置づけは彼らにとって生存や繁殖にかかわる非常に重要なものであるといえます。
研究者は今後さらに、他の地域のニホンザルやメスの順位、さらには熱量などについても調べる方針です。
Reference:優位な猿は多くの「暖」を得ることを解明 -ニホンザルのオスにおける優劣順位に応じた猿団子内位置および接触個体数-
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