超新星爆発はまだずっと先、最新のベテルギウスの状況が明らかに――IPMU

東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構らの国際共同研究チームは、オリオン座の赤色超巨星ベテルギウスについて詳細な分析を行い、天体物理学専門誌『Astrophysical Journal』にて発表を行いました。

オリオン座の一等星であるベテルギウスは2019年末から2020年初めにかけて、これまでに前例がないほどの大幅な減光が観察され、一部では超新星爆発の兆候ではないかと推測されていました。

参考記事 -オリオン座のベテルギウスが急激に減光、超新星爆発の兆候?-
ベテルギウスの超新星爆発オリオン座のベテルギウスが急激に減光、超新星爆発の兆候?

そこでオーストラリア国立大学をはじめ、カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)やカリフォルニア工科大学などからなる国際共同研究チームは、現在のベテルギウスの状況を明らかにすべく恒星進化や脈動の流体力学、星震の理論計算などを駆使して詳細に分析しました。

この研究成果によると、どうやらベテルギウスはκ(カッパ)メカニズムと呼ばれる星自身が膨張と収縮を繰り返す脈動により、185(±13.5)日と約400日という2つの周期で明るくなったり暗くなったりする変光を継続的に繰り返しているようです。

また、2019年末から2020年初め頃に起きた大幅な減光は、星から放出された大量の塵が関係していることが示唆されました。


東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構のプレスリリースより

ベテルギウスのより正確な大きさや距離も判明

今回の研究により、ベテルギウスのさらに詳しい情報も明らかになりました。
現在、ベテルギウスの質量は太陽質量の16.5~19倍ほどで最新の推定値よりもわずかに小さく、大きさについても太陽半径の750倍程度と、これまでの研究で推定されていた半径の3分の2程度しかありませんでした。

さらにこれらの情報をもとに地球からベテルギウスまでの距離を算出したところ約530光年であることが分かりました。ベテルギウスは従来まで考えられていた距離(約640光年)よりもずっと近いようです。

超新星爆発はどうやらずっと先のようですが、ベテルギウスは超新星爆発を起こす可能性がある候補の星のなかでは最も近い距離にあり、カブリ数物連携宇宙研究機構はプレスリリースにおいて「爆発前にどのようなことが起きるのかを研究するための貴重な機会を今後とも私達に与えてくれるでしょう」とコメントしています。

Reference:ベテルギウスはまだ爆発しない -減光の原因を探り恒星の質量、サイズ、距離を改訂- 東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。