映像酔いから醒めるときに特定の脳ネットワークの結合が強くなる現象を発見――京都大学ら

京都大学、京セラ株式会社、明治国際医療大学の研究者らは、映像酔いの回復中に特定の脳ネットワークの結合が非常に強くなっていることを明らかにしました。

映像酔いとは、映画やテレビなどの動画を見ている際に現れる乗り物酔いに似た症状で、大きく動き回るようなダイナミックな視点移動や手持ちのビデオカメラなどで撮影した手振れの多い映像などでよく起こります。

この映像酔いは多くの場合、映像を観始めた時にじわじわと気持ち悪さが増していき、映像を停止すると徐々に回復して不快感が薄れていきます。

これまで、映像酔いが起きる過程の脳のふるまいについてはfMRIなどの脳機能イメージング技術を使って調べられてきましたが、映像酔いの症状が和らいで回復する過程についてはよく分かっていませんでした。

京都大学大学院 人間・環境学研究科と京セラ株式会社 先進技術研究所の研究者らは14名の実験参加者を対象に映像酔いしやすい動画を観てもらい、映像酔いから回復している最中の脳活動をfMRIによって調べました。

研究者らは、映像酔いが現れた8人の実験参加者を安静状態にしたうえで、映像酔いから回復している最中にそのときの脳の状態をfMRIで測定し、他の安静時に測定していたデータと比較を行いました。

その結果、映像酔いから回復している間には島、帯状回、視覚野、海馬傍回といった特定の脳ネットワークの結合が非常に強くなっていることを発見しました。

これらの脳領域は自分の体調を意識するときにはたらく他、視覚情報の処理や記憶に関与することが報告されています。

研究者らはこれらの脳機能結合の増加について、映像酔いの不快感が和らいでいるという心身状態の自覚や、「馴れ」につながるような視覚情報処理回路や記憶回路の変化が起きているのではないかと考えています。

研究者らはさらに研究を進め、映像酔いの回復を促進する技術開発への応用だけでなく、映像酔いや車酔いを未然に抑止できるような技術開発に取り組む方針であるといいます。

References
映像酔いからの回復時に脳結合の増加を発見 -酔いの回復を促す技術開発の足がかりに- 京都大学

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