北海道で新属新種の異常巻きアンモナイトが発見される――深田地質研究所・国立科学博物館

公益財団法人深田地質研究所と国立科学博物館の研究者らは、北海道中川郡那中川町の地層から新属とされる新種のアンモナイトの化石を発見しました。

北海道中川町周辺には、今から約9,000万年前となる白亜紀後期の地層「蝦夷層群(えぞそうぐん)」が広く分布しており、ここでは保存状態が良いアンモナイトの化石が多く見つかることで世界的に有名です。

2015年、当時名古屋大学理学部学生だった深田地質研究所の職員が、この地層からこれまでに知られていない形状をしたアンモナイトの化石を発見しました。のちに国立科学博物館に在籍するアンモナイトの研究者らとともに研究をスタートさせ、2018年にはさらに2個の化石を新たに発見しました。

このアンモナイトの化石は、成長初期には蚊取り線香状に殻が巻かれますが、成長中期以降は直線部分とU字部分を繰り返してクリップ状に巻かれるという特徴があります。


公益財団法人深田地質研究所のNEWSより

この特徴は異常巻きアンモナイトの一グループであるディプロモセラス科に類似していましたが、成長初期の巻き方や「肋(ろく)」と呼ばれる殻表面の模様はこれまでに知られているどのアンモナイトとも明確に異なっていることなどから、このアンモナイトはディプロモセラス科に属する新属新種であると判断されました。

今回発見されたアンモナイトは、形状がゼンマイに似ていることからアイヌ語でゼンマイを意味する”Sorma(ソルマ)”と、中川町周辺の旧地名である”天塩”にちなんで”Sormaites teshioensis(ソルマイテス・テシオエンシス)”という学名が与えられました。

ディプロモセラス科のアンモナイトは北海道の蝦夷層群から豊富に見つかりますが、進化の過程はまだよく分かっていません。研究者らは「今回の発見はディプロモセラス科のアンモナイトの多様性と系統関係を知る重要な手掛かりとなる」とコメントしています。

この研究成果は日本古生物学会の英文誌“Paleontological Research”に今年1月1日付で掲載されています。

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