コーヒーを飲むことによる健康効果は近年、さまざまな報告がなされていますが、習慣的にコーヒーを飲んでいる人は眼圧が低いことが京都大学によって新たに報告されました。
研究著者らは、眼科を受診した患者から「コーヒーは大好きでよく飲むが大丈夫なのか」と聞かれたことをきっかけに本研究を始めたといいます。
研究者らは京都大学附属ゲノム医学センターが滋賀県長浜市と共同で実施している「ながはま0次予防コホート事業(長浜スタディ)」の9,850人のデータと、コーヒー摂取頻度の聴取により習慣的なコーヒー摂取量と眼圧との関係を調べました。
その結果、年齢や性別、角膜厚などの要素を補正しても1日3杯以上飲む人では1日1杯未満の人に比べて眼圧が約0.4mmHg低いことが明らかとなりました。
眼圧は視神経を障害することによって発症する緑内障と関連があります。ただし、緑内障と指摘されたことのある人とない人ではコーヒー摂取頻度に明らかな差は見られませんでした。
本研究ではコーヒーをよく飲む人ほど眼圧が低いことが示されましたが、今回の研究はコーヒーを飲むことによって眼圧が下がることを証明したものではなく、研究著者は緑内障を予防するためや、すでに緑内障になっている方が治療のためにコーヒーを飲むことを推奨するものではない、としています。
しかしながら、コーヒーが眼圧に悪影響を及ぼすわけではないようなので、今まで通り安心して飲むことができそうです。
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