外見からでは分からない柿の病気を見抜くAI、検出率は熟練者と同等以上――岡山大学

果実の商品価値を決定するうえで、その一つ一つを切って確かめることはできないため、見た目だけで判断する必要があります。これまで、果実の選別は長年携わってきた熟練者にのみ可能でした。

たとえば、柿では「へたすき」と呼ばれる内部障害が知られています。これは、柿の”へた”の下部に大きな黒い裂傷が生じているもので、果実を切るかへたを取り除かないと確実に見抜くことはできず、これまでは熟練者の目と長年の勘だけが頼りでした。


岡山大学のプレスリリースより

そこで岡山大学大学院をはじめとする研究チームは、収穫後の柿の写真約3,000枚を使用して「へたすき」の果実にみられる特徴な画像パターンを複数の畳み込みニューラルネットワークモデルを使って探索し、柿の写真から「へたすき」が発生しているかどうかを高い精度で判定するAI技術を開発しました。

検証では、なんと85%以上という熟練者と同等もしくはそれ以上の高い精度で「へたすき」の選別に成功したといいます。

学習したAIから「選別のコツ」を学ぶ

さらに研究者らは、畳み込みニューラルネットワークの逆伝播によって「AIがどのように判断したのか」という”選別のコツ”を知ることにも成功しました。どうやらAIは、果実の周縁部における色のムラから判断する傾向があるようです。

このように、本来は熟練者だけが見抜けるような”違和感”をAIにより可視化し、理解に役立てることも可能であるといいます。


岡山大学のプレスリリースより

現在、柿に限らずほとんどの果実の選別は店頭に並ぶまでにさまざまな選果基準が設けられており、多くが人の手によって行われています。しかし、こうした技術の開発が進めば、さまざまな果実のあらゆる病気を瞬時に検出して選別することができるようになり、熟練者たちが他の作業に専念できるようになるだけでなく、人材不足の問題解決にも役立つことが期待されます。

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