最も危険な小惑星として知られる「アポフィス」の軌道変化を確認、衝突確率が高まる恐れも――ハワイ大学

「死の神」の名を持つ小惑星

2004年に発見された300mほどの小惑星は、その年末には地球との衝突確率が37分の1にも上昇し、世界中の天文学者らを戦慄させました。その後すぐに詳細な観測が行われ、地球と衝突しないことが明らかになりましたが――翌年、その小惑星はエジプト神話における死の神アペプの名前をとって「アポフィス」と名付けられました。

世界中の天文学者らは「潜在的に危険な小惑星(PHA)」と呼ばれる、地球に衝突する可能性があり、かつ衝突時に大きな被害をもたらすような小惑星を常に監視していますが、なかでも最も危険な小惑星が「アポフィス」です。

直径は300m強と大きく、2029年と2036年に地球に接近すると予想されていますが、いずれも衝突の可能性はほとんどないことが明らかになっています。しかし、2036年以降の正確な予測は難しく、衝突の危険性についてはまだよく分かっていません。

アポフィスの危険な軌道変化を確認

今年11月、ハワイ大学の研究者らは国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡を使って小惑星アポフィスについて観測を行った結果、わずかな軌道の変化を検出したと発表しました。

この軌道の変化は太陽光を吸収したり熱放射をするときわずかに推進して軌道が変化するという「ヤルコフスキー効果」によるもので、これによりアポフィスの軌道長半径は毎年約170mずつ小さくなっていることが明らかになりました。

ヤルコフスキー効果は惑星の形状や惑星表面の状態といった、さまざまな要因に左右されるため予測が難しく、衝突の可能性がほとんどないと推測されている2068年の接近に影響を与える恐れがあります。

現在、NASAとESAは小惑星に宇宙船を実際に衝突させ、小惑星の軌道を変更できるかどうか確かめるプロジェクトを進めていますが、アポフィスをはじめとする危険な小惑星への対抗策はまだ検討段階に留まっているようです。

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