彗星でもオーロラが発生することが明らかに、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究

オーロラは太陽から放出された荷電粒子が、地球の磁場によって北極や南極に運ばれ、上空100km以上の電離層で酸素分子や窒素分子と衝突して発光する現象です。

これと同じような原理によって、木星や土星、天王星や海王星でもオーロラが発生しますが、今回発表された研究によって、新たに彗星でもオーロラが発生することが明らかになりました。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、2014年8月から2016年9月までの約2年間、彗星探査機「ロゼッタ」を運用して、直径約3kmのチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の詳細な観測を行っていました。


67P C/G – May 2 2015 flickr photo by Kevin M. Gill shared under a Creative Commons (BY) license
彗星探査機ロゼッタにより撮影されたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。

このチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星が遠紫外線で輝くことは以前から知られていましたが、これは彗星の核を取り巻く大気(コマ)が、太陽からの紫外線によって励起して発光する、いわゆる「大気光」のメカニズムによって発生するものと考えられていました。

しかし、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームらが、彗星探査機ロゼッタに搭載されていた観測装置のデータを組み合わせて分析した結果、太陽からの荷電粒子が彗星の大気と衝突して遠紫外線が発生していることを突き止めました。つまり彗星が遠紫外線で輝いているのは、大気光によるものではなく、実はオーロラによるものでした。

オーロラの発生には磁場による荷電粒子の加速が必要ですが、興味深いことに、彗星では固有の磁場が無いにも関わらず、彗星のコマと太陽風の相互作用によって荷電粒子が加速するといいます。


Comet Neowise – Caliente flickr photo by amewzing shared under a Creative Commons (BY) license

オーロラは通常、固有磁場のある惑星でみられる現象ですが、磁場が弱い火星や、木星の衛星であるイオなどでもオーロラの発生が確認されており、今回の研究ではさらに彗星でもオーロラが発生することが明らかになりました。

論文の特筆者は「惑星、衛星、彗星では磁場環境が大きく異なるにもかかわらず、それら全てでオーロラが見られるというのは実に面白く、興味をひかれることです」とコメントしています。

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