切れた腕が動き回る、ウミユリが腕を自切して身を守る仕組みは2億5,000万年前から備わっていた

名古屋大学をはじめとする国際研究チームは、深海生物であるウミユリが腕を自切して身を守る仕組みが約2億5000万年前から備わっていたことを初めて明らかにしました。

ウミユリはウニやヒトデと同じ棘皮動物に属しており、これらの仲間から最も早く分岐したグループです。おもに深海に生息しており、まるで植物のように、花びらのようなくし状の腕を広げて海底に立ち、海中からプランクトンなどのエサをこし取って食べます。

エピネシス・コラムズ
原始的な特徴を多く残しているウミユリは、「生きた化石」といわれています。


expl5403 flickr photo by NOAA Photo Library shared under a Creative Commons (BY) license

切れたウミユリの腕は動く

ウミユリはトカゲの尻尾のように自ら身体の一部を切断して、身を守る「自切」を行うことで知られています。切り離されたウミユリの腕は、トカゲの尻尾と同様にしばらく動くことで捕食者の注意をひきつけ、ウミユリ本体への捕食を回避します。

研究者らは、ウミユリがこの自切を行った後、切り離された腕が飼育水槽の底にまで到達すると、腕が動きまわって底に敷いてある砂のうえに引っかいたような特徴的な模様を作ることに気付きました。

研究者らはこの特徴的なひっかき模様が、地質時代の海底に見られないか調査を行ったところ、アメリカ・ユタ州の三畳紀初期(約2億5,000万年前)の地層から、ウミユリの腕とともにこのひっかき模様を発見しました。


名古屋大学 プレスリリースより

つまり、ウミユリは三畳紀初期にはすでに自切する機能が備わっており、自切した腕は動き回ること、三畳紀初期にはすでにウミユリは捕食動物の攻撃を受けていたことが明らかになりました。

ウミユリはおもに深海に生息していますが、日本では比較的浅い海にも生息しているため、採集や飼育などがしやすいことで知られています。「生きた化石」と呼ばれるウミユリを通じて、大昔に生息していた海洋生物たちのさまざまな謎が、ここ日本で明らかになるかもしれません。

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