オーストラリアのタスマニア島でクジラ約470頭が集団座礁、原因は?

今月22日、オーストラリア南東部のタスマニア島沿岸で、クジラが大量に座礁しているのが見つかりました。発見されたのはクジラの一種であるヒレナガゴンドウで、当初は約270頭と報道されましたが、約10km離れた場所で新たに約200頭が発見され、これまで確認されたクジラは470頭以上にのぼります。

環境当局の懸命な救助活動によってこれまでに50頭以上が海に戻されましたが、うち数頭は再び座礁してしまったそうです。

救助したクジラが再び座礁し、活動が難航することは当初から専門家によって指摘されていましたが、当局の局長は「クジラは戻ってきておらず、順調である」とコメントしており、フランス通信社(AFP)は局長について”楽観的である”と批判しています。


Youtube ABC Newsより 『Massive rescue operation to try and save 270 whales stranded on Tasmania’s West Coast』

クジラが大量に座礁した原因は?

生物の異常行動については多くの原因が考えられます。例えば、有毒な藻類の大量発生などによって海中の生物が異常行動を起こしたり、大量死してしまうケースもありますが、今回の場合はクジラ以外の生物は見つかっていないため、原因は限られているようです。

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専門家らは、群れを率いる少数のクジラが何らかの理由で針路を誤り、他のクジラが次々と続いて座礁してしまったのではないかと考えています。

クジラが大量に座礁してしまう事例は世界各地で報告されていますが、詳しい原因はよく分かっていません。病気になったクジラが浜辺に進み、社交性の高い群れが後を追ったという説や、高周波ソナーも原因の一つに挙げられています。実際に、2002年にはスペイン領カナリア諸島で軍が演習を行ったあとに多くのクジラが座礁しました。

タスマニア島はクジラ座礁の多発地域

タスマニア島はクジラが座礁しやすい場所であり、BBCの報道によるとオーストラリアで見られるクジラの座礁のうち、8割以上がタスマニア島で発生しているそうです。


Youtube ABC Newsより 『Massive rescue operation to try and save 270 whales stranded on Tasmania’s West Coast』

タスマニア島でこれまでに最も多くクジラが座礁したのは、1935年に記録された294頭で、今回は過去最悪とされています。近年では約10年前の2009年にも、約200頭が座礁していました。

なぜタスマニア島ではクジラの集団座礁が起きやすいのか、現在の救助活動とともに、詳しい原因の究明が待たれるところです。

2020年9月26日 追記

クジラの救助活動を行っていた当局は、これまで88頭ものクジラの救助に成功しましたが、すでに380頭が死んでおり、現在も生きているクジラの一部を安楽死させる決断を下しました。

現在も救出活動は続いていますが、クジラの苦しみを取り除くために、やむなく4頭のクジラを安楽死させたとのこと。

また、死骸を放置すると体内で発生したガスにより膨れ上がった状態で浮遊し、湾内の汚染や航海に支障をきたす可能性があるため、安全な処分方法についての検討も始まっています。

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