小惑星に宇宙船を衝突させて軌道を変える計画が進行中、NASA・ESA

小惑星の衝突は、人類の脅威になりうるイベントの一つです。地球に接近する軌道を持つ天体は常に観測・監視されていますが、小惑星は自ら光を発さないため、条件によっては発見が遅れてしまうこともあります。

実際に、2019年には最大推定130mの小惑星が、地球に接近する数時間前になってようやく発見されました。

最大推定130mの小惑星が地球近くを通過していたことが判明

地球に衝突することが明らかになった小惑星に対して、現在さまざまな対策法が検討されていますが、なかでも有力な候補の一つが、「重い宇宙船を何度か衝突させて軌道を変える」というもの。

実際に小惑星に探査機を衝突させる

アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は現在、共同で「Asteroid Impact and Deflection Assessment(以下AIDA)」というミッションを進めています。

このミッションは、小惑星が対になっている二重小惑星「ディディモス」の衛星に、小惑星探査機「ダート」を衝突させて衛星の軌道を変えさせ、小惑星探査機「ヘラ」で観測を行うというもの。


ESA 「ESA plans mission to smallest asteroid ever visited」より
ミッションの概略図。宇宙船衝突後の衛星軌道は、現在よりも内側になる。

ディディモスは直径約750mの小惑星で、この小惑星には直径150mほどの衛星ディモルフォス、通称”ディディムーン”が周回しています。

この小さな”ディディムーン”に、質量500kgの小惑星探査機「ダート」を秒速6.6kmで衝突させ、衝突後に軌道をうまく変更できたかどうかを、あとに打ち上げられる小惑星探査機「ヘラ」で確認します。

小惑星の内部構造や組成は分からないことが多いため、実際に小惑星に宇宙船を衝突させる必要があると研究者らは考えており、この一連の観測データは、小惑星に宇宙船を衝突させ、地球への衝突を回避するための研究に役立てられます。

小惑星探査機「ダート」は来年2021年6月に打ち上げられ、2022年10月にディディモスに到達する予定で、小惑星探査機「ヘラ」は2024年に打ち上げられ、2026年にディディモスに到着し、半年をかけてデータの観測を行う見通しです。

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