生命誕生から現在までに全生物が絶滅していた確率は85%、東京都市大学・東北大学

繰り返されてきた大量絶滅、あやうく全滅も

地球では生命誕生からこれまでに何度も大量絶滅が起きている。よく知られているのが4.4億年前のオルドビス紀末(O-S境界)、3.7億年前のデボン紀末(F-F境界)、2.5億年前のペルム紀末(P-T境界)、2億年前の三畳紀末(T-J境界)、そして恐竜の大絶滅を引き起こした6550万年前の白亜紀末(K-Pg境界)の5つだ。これらはビッグファイブと呼ばれている。

これらの大量絶滅を引き起こした要因は大規模な火山活動、ガンマ線バースト、海洋の低酸素、寒冷化、隕石の衝突などさまざまだ。もう少し規模が大きければ大量絶滅はおろか、地球上の生物がすべて壊滅してしまうようなことも起きていただろう。地球上の生物が絶滅せずに、現代まで生き残る確率はどのくらいなのだろうか。

過去5.4億年のあいだに生物が絶滅していた確率は24%

東京都市大学、東北大学の天文研究者らは、過去5億4,000万年の間の海洋生物の化石データベースを用いて過去の大量絶滅の規模と頻度を詳細に解析し、地球上の全生物が絶滅せずに生き残る確率を算出した。その結果、直近の5億4,000万年の間に地球上の生物が絶滅せずに生き残る確率は約76%であることが分かったという。
逆に言えば、地球上の全生物が絶滅していたかもしれない確率は約24%もあったのだ。

しかし、生命誕生は約40億年前と考えられており、直近5億4,000万年の確率だけでは十分とは言えない。そこで研究者らは、直近の億4,000万年間に起きた大量絶滅の頻度分布が、生命誕生からの40億年間で一定だと仮定して、生命誕生から現在までに地球上の全生物が絶滅しなかった確率を推定した。

解析によると、全生物が絶滅する規模のイベントは300万年間に0.15%であるという。単純化すると「300万年ごとに行われるこの”絶滅くじ”で0.15%のハズレを引いてしまえば、地球上の生命すべてが滅ぶ」というわけだ。

つまり、生命誕生から現在までに地球上の全生物が絶滅しなかった確率は、勝率99.85%の”絶滅くじ”において1200回以上勝ち続けた確率として計算することができ、その確率はなんと約15%、逆に言えば、生命が絶滅していた確率は85%であったことが明らかになったのだ。

今回の研究は高度な地球外生命の文明数の推定に役立つ

隕石や火山活動、ガンマ線バーストなどによる大量絶滅および全滅は、地球に限らず生命が存在するような惑星においても起こり得る。今回の研究は、地球外生命が存在する確率、ひいては人類のような高度な文明を持つ地球外生命体が、この宇宙にどれだけ存在するかという推定にも利用できるかもしれない。

高度な地球外文明の数を推定するものには、1961年にアメリカの天文学者であるフランク・ドレイクが提唱したドレイク方程式が知られている。

Europa Rising - Drake Equation
Europa Rising – Drake Equation flickr photo by Kevin M. Gill shared under a Creative Commons (BY) license

このドレイク方程式では「誕生した生命が知的生命体にまで進化する確率(画像中ではfi)」を推定する必要があるが、今回の研究により算出された確率、つまり生命誕生からの40億年で生命が絶滅せず、人類という知的生命体が誕生した”約15%”という確率を、宇宙共通であると仮定することでドレイク方程式に利用することができそうだ。

今の私たちは、少なくともこの約15%という確率で生き残ったわけだが、今も宇宙のどこかで地球外生命が存亡をかけた”試練”に挑んでいるのかもしれない。

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