ロックダウン中のパリでピッキングの達人が次々と閉鎖された公園を開放

2020年5月26日

Square René Le Gall, Paris
Square René Le Gall, Paris flickr photo by Osbornb shared under a Creative Commons (BY) license

フランス・パリで、新型コロナウイルスの流行のために閉鎖されている公園の鍵を開けて回る謎の人物についてAFP通信(フランス通信社)が報じた。
「ジョゼ」と呼ばれているこの人物は、静まり返った夜のパリで公園の入り口にある鍵を次々と開け、市民から”英雄”の扱いを受けているという。

ヨーロッパの首都のなかでも、もっとも人口密度の高いパリでは現在、ロックダウン(都市封鎖)が8週間以上にも渡って行われている。しかし、今月11日にフランスがロックダウン緩和に踏み切っても、依然として公園は閉鎖されたままで、市民は閉じこもり生活に疲弊していた。

こうした状況を鑑みて、パリ市長であるアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)氏は公園も道路と同じグリーンゾーンの扱いをし、マスクの着用を条件として開放するようフランス政府に要請した。しかし、政府はパリ及び周辺地域をレッドゾーン扱いとし、公園の閉鎖は継続されるべきだとして要請を拒否している。

そこで現れたのが「ジョゼ(jose)」と名乗る男だ。彼は夜な夜な外に出ては、パリの北部や東部などのあまり裕福でない地域の公園の錠前をピッキングで次々と破っている。パリの大衆紙であるパリジャン(Parisien)では、彼をアメリカンコミックスのヒーローである「バットマン」に例えている。他に共通点があるとするならば、彼もしっかり「マスク」をつけているということだろう。

彼の素性は知られていないが、ピッキングはあくまで趣味であり、日中は普通の仕事で生計を立てているという。「パリのアパートはとても狭いが、ロックダウンが緩和されつつあるのにどこも閉まっている」とジョゼは訴えている。公園の柵には彼への感謝のメッセージがつるされ、既に一定数のファンを獲得しているようだ。

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためとはいえ、長期間自宅に引きこもるような生活は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかるものだ。政府は公共施設を閉鎖し、警察を導入して市民をただ家に閉じ込めればよいが、深刻な状況が改善されつつあるなかでで過度な閉鎖継続は他のあらゆる問題を引き起こしかねない。そういった意味では、彼は市民を守る”ヒーロー”であるといえるだろう。

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